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衛星軌道投入ロケット開発の宇宙スタートアップAstroX、4億円の資金調達を実施

Credit: AstroX株式会社 プレスリリース

2024年9月5日、福島を拠点に、空中発射方式による衛星軌道投入ロケットを開発するAstroX株式会社(福島県南相馬市、代表取締役 小田翔武)は、ICJ2号ファンド投資事業有限責任組合をリード投資家として、プレシリーズAラウンドで総額4億円の資金調達を実施したと発表した。

今回の調達により、2025年度中の宇宙空間到達を目指してロケット開発投資と人材採用を強化を進める。

AstroXは2022年5月設立。

急速に成長する宇宙ビジネスの中でも、衛星コンステレーション等に関連して特に伸びている小型衛星の打ち上げ需要に対応するため、気球からロケットを空中発射するロックーン(Rockoon)方式による高頻度・低価格の打ち上げを目指して研究開発・サービス展開に取り組んでいる。

現状の日本では、衛星打ち上げの機会は少なく、小型衛星はほぼ100%が海外での打ち上げサービスに依存しており、国内での打ち上げ手段を確立することは今後の日本の宇宙ビジネスの成長を考えるうえでも重要な要素となる。

なお、リード投資家である「ICJ2号ファンド投資事業有限責任組合」は、ESG(環境・社会・ガバナンス)観点を重視し、SDGs(持続可能な開発目標)の浸透と実装に寄与するベンチャー企業への投資を目的として設立されたファンド。

同ファンドを組成したインクルージョン・ジャパン株式会社(東京都品川区、代表取締役 服部結花)は、ベンチャー・スタートアップ領域におけるESG実践を重視するベンチャーキャピタルだが、2023年10月に「宇宙∞(ムゲン)会議」(参考記事)を開催するなど、宇宙関連産業に対しても、近年、アプローチを強めている。

宇宙輸送という、宇宙産業の足腰となる分野に取り組むAstroXは、昨年末から今年にかけて、サブオービタルロケット「FOX」の姿勢制御装置の統合試験や超小型ハイブリッドロケット「kogitsune」の発射実験に成功するなど、着々と開発を進めている模様だ。

新たな投資を得た同社が今後どのように成長を加速させていくかに注目したい。

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