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NASA、「惑星防衛」をテーマにしたドキュメンタリーを今春に公開予定
2025年1月17日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、小惑星などの衝突から地球や人類を守る「プラネタリーディフェンス(planetary defense、惑星防衛)」をテーマとしたドキュメンタリー「Planetary Defenders」の公開を前に、今月23日からアメリカ・ユタ州で開幕するサンダンス映画祭でパネルディスカッションを行うと発表した(NASAによる発表)。
プラネタリーディフェンスとは、小惑星などの天体が地球に衝突することで起こり得る被害を防止しようという取り組みで、国の宇宙開発等の基本的な方針を定める「宇宙基本計画」(参考記事)でも取り上げられている。
ドキュメンタリー「Planetary Defenders」は、この春にNASAのストリーミングサービスであるNASA+で公開される予定。
インド宇宙機関のミッション「SpaDeX」、宇宙空間での衛星ドッキングに成功
2025年1月16日、インド宇宙庁(Department of Space:DOS)は、インド宇宙研究機関(ISRO)が昨年12月30日に打ち上げた2機の衛星を宇宙空間でドッキングさせる実証「Space Docking Experiment(SpaDeX)」において、ドッキング操作を成功裏に完了したと発表した(インド宇宙庁の発表)。
この実証では、「SDX01」と「SDX02」という2機の衛星が宇宙空間で徐々に接近してドッキング、その後、再度分離するところまでの技術を実証することを目的としている。
DOSの発表によると、ドッキングはスムーズに実行され、ドッキングした2つの衛星を1つの衛星として統合制御することにも成功した。
今後、数日をかけてシステム検証のためにドッキング解除操作、電力の伝送チェックが行われるという。
BULL、ベガCロケットへのデブリ化防止装置搭載に向け、Avioと覚書締結
2025年1月16日、宇宙デブリ対策事業や軌道利活用関連事業を展開する株式会社BULL(栃木県宇都宮市、代表取締役社長/CEO 宇藤恭士)は、ロケット製造・打ち上げサービスを提供する欧州の宇宙企業Avio(AVIO S.p.A.、イタリア・ローマ、CEO Giulio Ranzo)と、Avio社が製造・運用を行うベガC(Vega-C)ロケットに、同社が開発する宇宙デブリ化防止(Post Mission Disposal:PMD)装置「HORN」を搭載してロケット運用終了後に分離された構造体の再突入を促進することを目的とした、実現可能性の共同検討を開始するMOUを締結したと発表した。
Avio社は欧州宇宙機関(ESA)が制定した「ゼロデブリ憲章」に署名しており、今回、BULLとの連携もその一環と言える。
ベガCロケットはロケットで、2022年7月に初飛行を行ったものの、同年12月の打ち上げで衛星の軌道投入に失敗。部品の再設計や試験などを経て、昨年12月にESAの地球観測衛星「センチネル1C(Sentinel-1C)」の打ち上げを行って飛行を再開していた。
NEC、AIを活用し人工衛星の通信装置の消費電力を約30%削減する技術を開発
2025年1月21日、日本電気株式会社(東京都港区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO 森田隆之、以下NEC)は、人工衛星の無線通信装置の増幅器の消費電力を約30%削減できる、AIを活用した波形歪補償技術を開発したと発表した。
この技術で無線通信装置を低消費電力化・小型化・低コスト化することで、近年増加している小型衛星への搭載が容易になる。
また、併せて開発された自動回路設計ツールを用いることで、通常数カ月かかる歪補償の回路設計を約1時間で完了できるという。無線通信装置の開発期間を大幅に短縮できるこの技術は、人工衛星だけでなく、地上系ネットワークの無線通信機器へも展開可能だという。