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目次
宇宙戦略基金、「衛星データ利用システム海外実証」の実施機関が決定
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2025年2月7日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「宇宙戦略基金」で公募を行っていた技術開発テーマのうち、「衛星データ利用システム海外実証(フィージビリティスタディ)」(経済産業省計上分)について、実施機関を決定したと発表しました。
この実証では、衛星システムを利用する市場の拡大に向け、海外でのニーズや社会課題に対応した衛星データ利用システムとそのビジネスの実現可能性を検証するとともに、実装に向けた計画の策定、さらに海外での衛星データ利用システムの開発・実証基盤整備が行われる予定となっています。
それぞれの実施機関と技術開発課題名は下記の通りです。
衛星データ利用システム海外実証(フィージビリティスタディ)(経済産業省計上分)
A:海外における衛星データ利用システムの開発・実証(補助)
実施機関(代表機関) | 技術開発課題名 |
ウミトロン株式会社 (研究代表者:藤原謙) | 養殖産業開発に向けた海洋空間計画およびモニタリングプラットフォームの実証 |
株式会社オーシャンアイズ (研究代表者:田中裕介) | インドネシアでの衛星データを活用した海洋水産業支援システムの開発・実証 |
オーシャンソリューションテクノロジー株式会社 (研究代表者:三神泉) | IUU漁業対策を目的とした不審船識別システム“Smart Tasking 2.0”開発 |
Space Tech Accelerator株式会社 (研究代表者:平賀元気) | サステナブル調達に寄与する衛星データを活用したパームヤシ農家支援アプリ開発 |
株式会社Solafune (研究代表者:上地練) | 鉱山モニタリングAIとユーザビリティ改善に向けたLLM技術開発 |
パシフィックコンサルタンツ株式会社 (研究代表者:吉武央気) | 衛星データを活用した全球洪水被害の即時3次元解析情報提供サービスの実証 |
衛星データ利用システム海外実証(フィージビリティスタディ)(経済産業省計上分)
B:海外における衛星データ利用システムの開発・実証基盤の整備(委託)
実施機関(代表機関) | 技術開発課題名 |
一般財団法人日本宇宙フォーラム (研究代表者:小林功典) | 海外における衛星データ利用システムの開発・実証基盤の整備(委託) |
インフォステラ、JAXAの「月探査地上局の整備に向けた事業性概念検討」に選定
2025年2月6日、周回衛星向けGround Segment as a Service(GSaaS)プロバイダーの株式会社インフォステラ(東京都新宿区、代表取締役 倉原直美)は、2025年1月8日付で宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する「月探査地上局の整備に向けた事業性概念検討」の事業者に選定されたと発表しました。
この概念検討では、同社が月探査地上局の整備とサービス提供に関する検討を行い、JAXAミッションを始めとして、シスルナ(地球-月)空間で活動を実施する宇宙機とミッション機器を対象とする通信ネットワークサービスの実現性を検討するとしています。
NASAの航空宇宙安全諮問委員会、年次報告書を発表
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2025年2月6日、アメリカ航空宇宙局(NASA)の航空宇宙安全諮問委員会(Aerospace Safety Advisory Panel:ASAP)は、発表しました(NASAによる発表)。
今回の報告書では、2024年のNASAの活動と観測内容に関して、次の4つに焦点が当てられているとしてます。
- 戦略的ビジョンと機関のガバナンス
- 月から火星へのマネジメント
- 将来の地球低軌道における米国のプレゼンス
- 有人宇宙探査における健康と医療のリスク
ASAPは、今年の報告書でも、商業化が進む宇宙におけるNASAのリスク管理と安全文化の戦略に引き続き重点を置いているとし、環境変化が起こる中で将来の課題に備えるための推奨事項を2021項目にもわたって挙げています。
2024年以前のものも含むASAPのレポートは、下記のNASAウェブサイトからダウンロードすることができます。
https://www.nasa.gov/asap-reports/
アークエッジ・スペース、共同開発のキューブサットで世界最高レベルの撮像に成功
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Credit: 株式会社アークエッジ・スペース プレスリリース
2025年2月7日、株式会社アークエッジ・スペース(東京都江東区、代表取締役 CEO 福代孝良、参考記事)は、台湾宇宙センター(Taiwan Space Agency:TASA)、東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 中須賀・船瀬・五十里研究室と共同で開発した6U級地球観測用衛星「ONGLAISAT(オンライサット)」が、設定された目標を達成し、キューブサットにおいて世界最高レベルの地上分解能(2.5~3.0メートル)の撮像に成功したと発表しました。
オンライサットが達成した目標は下記の4つ。アークエッジ・スペースでは、これらの技術を活用してより市場競争力の高い人工衛星の開発・運用や、付随するサービスの開発進めていくとしています。
- 新規光学システムによる撮像実証
- 時間遅延積分技術(TDI)を用いたイメージセンサ実証
- オンボード処理技術の実証
- 高精度姿勢制御を含む高度な衛星バス技術の実証
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