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スペースデータ、国連大学と包括的連携の覚書締結 AI・宇宙技術を活用し地球規模課題の解決に貢献

2025年6月23日、国際連合大学(東京都渋谷区、学長:Tshilidzi Marwala、以下 国連大学)と株式会社スペースデータ(東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽)は、人工知能(AI)と宇宙技術を活用した地球規模課題の解決に向けた覚書締結の式典を開催しました。
式典ではまず、国連大学学長のチリツィ・マルワラ(Tshilidzi Marwala)氏が挨拶し、今回の連携を通じ、気候変動や災害対応分野での研究協力を進めること、特にアフリカ諸国や小島嶼国などの開発途上国向けの技術支援に重点を置き、AI技術と地球観測衛星データを組み合わせることで、実用的な解決策の提供を目指すとその意義を説明しました。
続いて、スペースデータ執行役員でグローバル戦略・宇宙利用担当の髙田敦氏は、衛星データを活用した「デジタルツイン」技術により、災害予測や早期警報システムの構築を支援すると説明。すでに太平洋の島国であるトンガでは、主島のデジタルツインを作成し災害準備プラットフォームの運用を開始していることを紹介しました(参考記事)。
このほか、式典には国連宇宙部(UNOOSA)部長のアーティ・ホラマイニ(Aarti Holla-Maini)氏や外務省 総合外交政策局 参事官の斉田幸雄氏、文部科学省 研究開発戦略官(宇宙利用・国際宇宙探査担当)の原田大地氏らが来賓として挨拶を行い、会場には同社とつながりのある宇宙関連企業の関係者も招かれました。
両者は今後、国連宇宙部とも連携し、宇宙技術分野での能力構築プログラムの開発や、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた取り組みを進めていくとしています。
ESA、仏航空・ダッソーと宇宙技術開発における連携強化に向けて意向書を締結
2025年6月20日、欧州宇宙機関(ESA)は、フランスの航空機メーカーであるダッソー(Dassault Aviation)と宇宙技術開発における連携強化を目的とした意向書(Letter of Intent:LoI)を締結したと発表しました(ESAによる発表)。
両者は、地球低軌道(LEO)での活動や軌道上輸送機の分野で相互の技術開発を促進することに共通の関心を示しているとのことです。
ESAは宇宙探査戦略「Explore2040」の下、月や火星への到達・帰還能力の開発や超高速大気圏再突入技術といった重要技術の実証を目指しています。一方のダッソーは、再使用型スペースプレーンを開発しており、再使用型軌道輸送・探査機として「VORTEX(Véhicule Orbital Réutilisable de Transport et d’Exploration)」というコンセプトを打ち出しています。
VORTEXは宇宙実験や宇宙ステーションへの物資輸送などでの活用が想定されているとのことで、ESAのヨゼフ・アッシュバッハー(Josef Aschbacher)長官は、「ダッソーは、航空・宇宙システム領域で数十年にわたる専門知識を有しており、重要な宇宙技術を開発するのに適した企業」と評しています。
米Firefly Aerospace、月面画像の撮影サービス「Ocula」を発表 打上げは来年の予定

2025年6月18日、米宇宙開発企業のファイアフライ・エアロスペース(アメリカ・テキサス州、CEO Jason Kim、以下Firefly Aerospace)は、月面画像の撮影サービス「Ocula」を開始することを発表しました(Firefly Aerospaceによる発表)。
このサービスは、高解像度望遠鏡を搭載したFirefly Aerospaceの月周回機「Elytra Dark」によって展開される予定で、Elytra Darkは、2026年に予定されている月着陸船「ブルーゴースト(Blue Ghost)」の2回目のミッション(Blue Ghost Mission 2)で打ち上げられるとのこと。
同社によると、Elytra Darkに搭載される高解像度望遠鏡は、高度50キロメートルから最大0.2メートルの解像度で月面を撮影できるほか、月と地球の間の空間(シスルナ空間)の状況把握や月面の詳細情報の取得、チタン鉄鉱の濃度計測などが可能な性能をもつとのことです。
Elytra Darkは、Blue Ghost Mission 2の完了後も月周回軌道上で月面画像を撮影し、自動でデータを地球に送信する予定だということです。
モナコのVenturi Space、月面探査車「MONA LUNA」の模型を公開
モナコを拠点とする宇宙開発企業のベンチュリ・スペース(モナコ、President:Gildo Pastor以下Venturi Space)は、今月16日から22日まで開催されていた「パリ航空ショー2025」の中で、開発中の月面探査車「MONA LUNA」の模型を公開しました(Venturi Spaceによる発表)。
MONA LUNAは、全長2.5メートル、幅1.64メートル、総重量は750キログラムの大型探査車で、最高時速は約20キロメートル。機器やペイロードを扱うためのロボットアームを備えているとのことです。
同社はMONA LUNAの初ミッションでは科学探査に焦点を当てるものの、将来的には月南極へのペイロード輸送や資源開発など商業的ニーズに応えることもありうるとしています。
MONA LUNAは、2030年までに月の南極地域に展開される予定とのことです。
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