140年の歴史を通じて培った海運業を中心に、さまざまな社会インフラ事業を展開する株式会社商船三井は2023年6月6日、米Space Xが運用し、ノルウェー通信大手のMarlink(マークリンク)を通じて提供される衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」の試験導入を、自社外航船で実施したと発表した。
従来比で最大50倍の通信速度向上を確認
Starlinkは、低軌道の人工衛星を使用した、高速かつ低遅延接続が可能な衛星通信サービス。
船上でStarlinkを利用すると、船・陸間でシステムやデータを高速でリアルタイムに共有することができる。これにより、安全運航の高度化と船員のウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)の飛躍的な向上が期待されている。
商船三井は自社が運航する外航船でトライアルを実施し、従来と比べ最大50倍の通信速度の向上を確認したという。
トライアル船の乗組員は「船員の仕事の性質上、家庭から遠く離れて過ごす必要があり、船上でのインターネット接続が改善され、ビデオ通話により家族や友人と洋上でもリアルタイムで繋がることができるようになることは極めて重要」とコメント。
同社は今後、複数の船舶で継続的なトライアルを行い、その効果検証を踏まえて、船上における通信環境の改善により実現される船上業務・生活の未来像を構想・公表し、引き続きグループ運航船への導入を推進する予定だ。