小型衛星用アンテナ等を開発する福岡発宇宙ベンチャーの株式会社QPS研究所は2023年6月14日、同月13日早朝に打上げられた小型レーダー衛星6号機「アマテル3」について、打上げから約21時間後に収納型アンテナの展開に成功したと発表した。
打上げ成功の小型レーダー衛星「アマテル3」、初画像の取得を目指す
同社が開発した小型レーダー衛星6号機「アマテル3」は、日本時間の2023年6月13日午前6時35分にカリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地から米SpaceX社のファルコン9ロケットで打上げられた。
打上げは成功し、衛星は予定されていた軌道に投入。その後、初めての交信も確認され、打上げから約21分後に収納型アンテナの展開に成功した。
同社は今後アマテル3の調整を続け、初画像の取得を目指すとしている。
同社は2025年以降、小型レーダー衛星36機による準リアルタイム観測データ提供サービスを目指しており、現在は1号機「イザナギ」と2号機「イザナミ」の2機を運用している。
2022年10月には、本格商業衛星となる3、4号機の打上げを試みたものの、予定していた軌道に衛星を投入することができなかった。
続く5号機は契約したロケット事業会社の状況により現在打上げ日を新たに調整しているという。このような背景もあり、今回の6号機打上げは5号機に先行して実施された。
「アマテル3」は、地表にレーダーを照射して鮮明に画像化できるのが特徴だ。時間や天候に左右されずに地上を観測できるため、災害対策やインフラ整備等での活用が期待されている。
今回の打上げについて、QPS研究所代表取締役CEOの大西俊輔氏は「打上げが成功して嬉しいという気持ちと、ここから衛星の運用が始まるという緊張感がある。引き続き良いニュースを届けられるよう取り組んでいきたい」とコメントした。