持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)は2023年6月30日、同年5月に移転した墨田区の新本社内に、デブリ問題や宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)の最先端を学べる一般見学施設「オービタリウム(英語表記:Orbitarium)」を開設したと発表した。
関連記事
アストロスケールとJAXA、衛星への燃料補給サービスに関するコンセプト共創活動を開始(22年12月)
アストロスケール、みずほ銀行と30億円の融資契約を締結(23年4月)
アストロスケールがフランスに子会社を設立、CNESとデブリ除去の契約を締結(23年6月)
宇宙開発の加速で増加する衛星とデブリ
通信やGPSなど、現代の日常生活や経済活動に不可欠な人工衛星は、宇宙の「軌道」で運用されているが、宇宙開発が加速するにあたり衛星やデブリの数が増加し、軌道の混雑化が進んでいることから、衛星とデブリのニアミスや衝突が発生している。
また、今年5月のG7科学技術大臣コミュニケ(共同声明)とG7広島首脳コミュニケにおいては、宇宙空間の安全かつ持続可能な利用に対するコミットメントが表明され、デブリ問題への取り組みが強く奨励されている。
そこで同社は、こうした軌道の現状と、スペースサステナビリティの実現に向けた取り組みをより多くの人に知ってもらうため、新本社内に一般向け見学施設として「オービタリウム」を開設した。
施設のコンセプトは「軌道」、映像や展示を通して地球と宇宙の関係性を体感
同施設では、日常生活であまり感じることのできない宇宙の「軌道」について、見て、感じて、知ることができるほか、スペースサステナビリティの実現に向けた同社の取り組みも理解できる。
「軌道」をコンセプトに、地球と宇宙、軌道や人工衛星の関係性を感じられるよう、円をモチーフとした空間デザインを採用。施設に入ると、地球の模型を取り囲むように設置した曲面モニターに映像が流れ、地球を取り囲む衛星の「軌道」や「スペースサステナビリティ」について体感的に学べる。
さらに、最先端の取り組みとして、衛星の製造や部品の試験を行うクリーンルームでの開発の様子を見学できるスペースも設けられている。
同施設の主要コンテンツは以下の通り。
- 地球と宇宙のつながりについて感じることのできる円形シアター
- 軌道環境やスペースサステナビリティの取り組みについて知ることのできる展示エリア
- 衛星の製造や部品の試験を行うクリーンルームでの最先端の開発を見学できるスペース
- ここでしか手に入らないアストロスケールオリジナルグッズの販売
施設概要
名称:オービタリウム
所在地:〒130-0013 東京都墨田区錦糸4-17-1 ヒューリック錦糸町コラボツリー2階
オープン:2023年7月5日(水)
営業日:水曜日・金曜日(要予約)
予約枠:11:00〜12:00、15:00〜16:00
入館料金:8月末まで無料
URL: https://orbitarium-astroscale.com