SpaceX社のシーローンチとそのデザインとは?

今年の5月、SpaceX社のイーロン・マスクCEOは「海上打ち上げ港“Deimos”は来年の打ち上げに向け準備中」とTwitterでコメントしました。海上からロケットを打ち上げることをシーローンチ(Sea Launch)といいますが、このシーローンチとはどういうものか、そしてSpaceX社の“Deimos”はどのようなデザインなのか、分かりやすく説明します。



Twitter:@Elon Musk


このシーローンチ拠点は、テキサス州にあるSpaceX社の宇宙船“Starship”開発拠点に近い、メキシコ湾の港町ブラウンズビルにあります。1995年にアメリカ・ロシア・ノルウェー・ウクライナの共同出資により設立されたSEA LAUNCH社は、数々の大型衛星を打ち上げましたが、2007年の打ち上げ失敗により倒産しました。この出来事により「そもそも海上からの打ち上げは上手くいかない」との議論が多くありました。しかし、これは海上打ち上げの方式が悪いのではなく、船という海上プラットフォームが損傷したときのリカバリー策、海上プラットフォームの損傷しにくい構造設計の検討にしっかりとした考慮がされている必要があったのではないか、という説があります。加えて、海上からの打ち上げにはメリットがあり、打ち上げに最適な環境に移動できるという点、衛星打ち上げに最適な場所へ移動できる点等が挙げられます。

Credit: Nick Henning

上記の図は、Nick HenningがTwitterで公表した“Deimos”のデザインです。このローンチパッドには乗船アームがあり、そこから乗客が乗り降りできるよう設計されています。打ち上げられた“Starship”の追尾や、地上との通信は、図の左下にあるレーダー・コミュニケーションプラットフォームがその役割を担うようです。また、打ち上げ失敗や火災等に備え、乗客が避難するためのエマージェンシー・ライフボートも設置されることが分かります。この海上打ち上げ港の建設は順調に進んでおり、早ければ2022年に打ち上げが開始される予定です。

SpaceXが開発中の再利用型宇宙船“Starship”は、5月の飛行テストで初の完全着陸に成功し、次は軌道飛行を目標にしています。また、SpaceX社は、NASAのアルテミス計画の月着陸船開発業者として選定されており、今後のさらなる開発が期待されています。


SPACEMedia編集部