宇宙のガソリンスタンド?Orbit Fab社の衛星延命ビジネスとは

2021年9月、衛星ライドシェアサービスを提供するSpaceflight Inc.の軌道間輸送機によって、Orbit Fab社のペイロードが2022年内に宇宙へ運ばれることが発表されました。Orbit Fab社は2018年に設立された、アメリカカリフォルニア州のサンフランシスコを拠点にするベンチャー企業です。宇宙のガソリンステーションの構築に特化しており、宇宙空間内の衛星に対し燃料を補給するサービスを提供しています。

 

Credit: Orbit Fab

 

人工衛星は軌道や姿勢を変更・制御するために、ヒドラジンなどの燃料を搭載しています。しかし、近年は技術の発展により、人工衛星が故障し寿命を迎える前にこれらの燃料が枯渇してしまい、軌道や姿勢の制御が出来ずに寿命を迎えてしまうケースが増えてきました。

 

公開されているOrbit Fab社のガソリンステーションのデザインは、10個のタンクを積んだペイロードとなっており、複数の衛星に対し繰り返し燃料注入ができる設計になっているようです。現在の衛星には燃料を注入するという概念がありませんが、今後は燃料注入に対応した衛星設計になることが予想されます。また2021年2月、Orbit Fab社は、毒性のない小型衛星推進システムのサプライヤーであるBenchmark Space Systems (BSS) と宇宙給油技術パートナーシップを確立しました。

SPACEMedia編集部