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北海道に、宇宙版シリコンバレーを-SPACE COTAN 大出大輔氏の過去-

アジア初の宇宙港(スペースポート)を北海道大樹町に誘致し、北海道に宇宙版シリコンバレーを作ることを目指すSPACE COTAN株式会社(以下、SPACE COTAN)―同社COO 大出大輔氏とSPACE COTANの現在・過去・未来について3回に分けて連載します。

 

今回は大出大輔氏の”過去”にフォーカスしたお話を伺いました。

 

また、SPACE Mediaの公式Youtubeチャンネル「New Space Times」では、大出氏のインタビュー動画も公開していますので、併せてご覧ください。

 

■目次

(1)サッカー少年が建築業界へ

(2)宇宙産業との出会い

(3)宇宙をビジネスに

 

(1)サッカー少年が建築業界へ

今では、SPACE COTANのCOOとして宇宙産業の最前線で活躍されている大出氏―宇宙産業に関わるまではどのような経歴を歩まれてきたのか伺いました。

 

――子供のころは何が好きでしたか

大出:3歳からサッカーを始めたので、サッカーが好きでした!

でもあまり上手くなくて、プロサッカー選手にはなれないと思い、子どもの頃は、サッカースパイクの研究者を夢見ていました。

自分がつくったスパイクをサッカー選手が使ってくれたら嬉しいな!って(笑)

 

――学生時代は何の勉強をしていましたか

大出:建築家(デザイナー)を目指していましたが、大学で設計課題に取り組む中で、自分は”普通の住みやすい建築”を設計してしまい、設計力による新しい建築空間をつくることができないと悟りました。

そこで何を目指すか考えていた時、2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が起きました。

私自身は特に被害ありませんでしたが、自然と耐震分野に進んでいました。

ちょうど私の大学の耐震分野には、私がとても尊敬する先生もいて、その先生の元で、耐震分野の研究者を目指し、ほとんど研究室に泊まり込みで研究していました。

 

――大林組に所属していたころは、どのような事業に携わっていたのでしょうか?

大出:1年目は、鉄道現場の現場監督をしていました。

電車の終電と始発の間しか工事できない箇所を担当していたので、ほとんど夜勤でしたね。

2年目からは、耐震分野の研究や、新規事業創造の取り組みをしていました。

仕事だけでも激務だったのですが、仕事をしながら一級建築士の勉強や、博士課程の研究をしていたので、それらが終わった4年目くらいまで、休みも睡眠時間もないような状態でしたね。忙しすぎて、記憶もあまりないです。




(2)宇宙産業との出会い

建築業界で多忙な日々を過ごしていた大出氏が、宇宙産業に関わるきっかけが宇宙を活用したビジネスアイデアコンテスト「S-Booster」への応募でした。

――S-Boosterで未来コンセプト賞を受賞したとのことですが、なぜこのコンテストに参加しようと思ったのでしょうか

大出:会社の廊下で偉い人とすれ違った際に、その人から「大出くんアイデアマンだから出してみれば?」と言われて出しました。

ただ、締め切り前日だったので、徹夜で考えました(笑)色々考えるうちに、サッカーで骨折してレントゲンやMRIをよく受けていたことを思い出しました。

地球の周りをまわっている人工衛星って、人間の周りをまわっているCTスキャナーと同じではないか?

人工衛星の数が大幅に増えれば、そして地球を透過できる粒子があれば、地球をスキャンできるはず。

それが出来れば、地球の地下資源を探査できて、とても大きな価値を生み出すと思いました。


S-Booster2018未来コンセプト賞 受賞時の写真

Credit: S-Booster



――宇宙業界に参入する以前から、宇宙に関する知見はお持ちだったのでしょうか

大出:会社の新規事業創造に取り組む中で、宇宙が次に来る市場だということを理解し、建築との接点を探していました。

最初は宇宙建築かなと思いましたが、それよりももっと先に、宇宙に物を運ぶ必要がある。そのためにはスペースポートが必要だという課題に気づき、スペースポートに関する調査や、ロケット打ち上げに関する研究をしていました。

研究レベルとはいえ、陸海空からロケットを打ったことがある人は、世界でもなかなかいないのではと思います。

 

(3)宇宙をビジネスに

――宇宙産業に対するイメージを教えてください

大出:宇宙って夢のあるところだけど、ビジネスとしては成り立たなくて、研究や趣味の対象なのだと思っていました。

ちょうど今、私がそういう人たちのイメージを打破する所にも取り組んでいます。

SPACE COTAN株式会社 COO 大出大輔氏
Credit: SPACE COTAN


SPACEMedia編集部