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前澤友作氏のISS渡航・密着ドキュメンタリーが12月に公開、帰還に使用したソユーズも展示

2021年12月、実業家の前澤友作氏が日本人の民間人として初めてISS(国際宇宙ステーション)に滞在したことをご記憶の方も多いだろう。

このたび、前澤氏のISS渡航に密着したドキュメンタリー映画『僕が宇宙に行った理由』が完成し、2023年11月27日(月)、東京都中央区のTOHOシネマズ日本橋にて、完成披露上映会が行われた。

『僕が宇宙に行った理由』予告編
Credit: Yusaku Maezawa【MZ】YouTubeチャンネル

宇宙に向かうための過酷な訓練の様子を克明に描写

本作は、2021年12月8日から12日間にわたってISSに滞在した軌跡をまとめたドキュメンタリー。前澤氏が宇宙へ行くことを決めてから、実際にISSに滞在するまでには、実に7年あまりもの期間を要しており、その折々での前澤氏や周囲の人々の思いなどが綴られる。

監督と撮影を務めたのは、前澤友作氏とともにISSに渡航した平野陽三氏。
ISS渡航にあたっては、ロシアで半年近く訓練を行っており、作中では、前澤氏と平野氏が座学を含め、メディカルチェックや専用宇宙服制作の様子、回転椅子やセントリフュージによる訓練、パラボリックフライト(放物線飛行)での無重力体験などを行う様子が収められている。

一方で、無事打上げに成功しISSに到着した後、相次ぐ取材で「宇宙に行って自らが変わったか」という質問を何度も受けたことで、「変わること」に対して期待されすぎているとうんざりした様子を見せる一幕も。

その後、地球に帰還して自らが「世界平和」を重視するきっかけの一つとなったニューヨークの世界貿易センタービル跡地を訪れて帰還後の自らの「変化」について語るシーンはぜひ映画館でご覧いただきたい。

映画『僕が宇宙に行った理由』は、2023年12月29日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか、全国約80カ所で劇場公開される。

映画に込められたテーマ、「挑戦」「夢の実現」「世界平和」

映画の完成披露上映会の後には、前澤氏と平野氏によるトークセッションが行われた。

本作は、ISS渡航前からロシアでの訓練、ISS渡航に向けたさまざまな準備・訓練や滞在の様子がリアルに伝わる映像を中心に構成されているが、前澤氏は、当初はホームビデオ感覚で記録をとっていただけだと言い、「もともと映画を作る予定はなかった」と明かした。

思った以上に「撮れ高」がありそうだったということに加え、同行した平野氏がかねてより映画を撮りたいという夢をもっていたことも、今回のドキュメンタリー制作につながったという。

上映会後のトークセッションで質問に答える前澤友作氏

宇宙へ行くという夢、そして映画を撮りたいという夢を叶えた前澤氏と平野氏だが、トークセッションでは、この映画を通じて多くの人に「挑戦する」「夢を諦めない」という気持ちをもってもらいたいと語った。

また、前澤氏は「世界平和」の重要性についても言及。
「この映画には挑戦や夢、平和などいくつかのテーマを込めたが、観た人の気持ちが少しでも動いてくれたらと思う。宇宙から見た地球には国境がなく、この映画はぜひ子どもたちにも観てほしい」と、世界平和に対する熱い思いを語った。

また、上映会の後には「宇宙の仕事」を身近に体験できるイベント『HELLO SPACE WORK! NIHONBASHI 2023』の会場となっている日本橋三井タワーにて、実際に前澤氏が帰還時に登場していた宇宙船・ソユーズの帰還モジュールが展示され、その除幕式も行われた。

帰還モジュールの展示を行う、映画『僕が宇宙に行った理由』特別展は2023年12月3日(日)まで。
大気圏突入時の燃焼の跡が生々しく残るモジュールを間近に見ることができる貴重なチャンスだ。

前澤氏が地球への帰還時に搭乗したソユーズ帰還モジュール序幕の様子。モジュールは日本橋三井タワー1Fのアトリウムにて2023年12月3日まで展示される

また、2023年11月27日(月)〜12月1日(金)の期間には、日本橋三井ホール、室町三井ホール&カンファレンス、X-NIHONBASHI TOWER、X-NIHONBASHI BASEなどを主な会場として、宇宙ビジネスにまつわるカンファレンスや企業展示などが行われる『NIHONBASHI SPACE WEEK 2023』も開催されている。
2023年12月29日(金)から全国公開となる映画とあわせ、宇宙のリアルを体感できる機会になるだろう。

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