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ソニー、誰でも宇宙を撮影できる衛星「EYE」打上げ成功

ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は2023年1月5日、カメラを搭載し宇宙空間からの撮影を実現する超小型人工衛星「EYE」が衛星軌道に放出後、地上局との通信を確立することに成功したと発表しました。本人工衛星は同年1月3日(米国東部時間)、米国・フロリダ州にて打上がり、同日衛星軌道上に放出されました。

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SpaceX社のFalcon 9打上げの様子
Credit:SpaceX

「EYE」はSpaceX 社のFalcon 9により高度524kmの軌道へ投入され、地上局との間で正常にSバンドを利用したコマンドの送信およびテレメトリデータの受信に成功しました。受信したデータを解析した結果、太陽電池パドルの展開に成功し、電力が正常に確保されていることが分かりました。

また、「EYE」を安全に運用するためソニーグループ本社ビル内に管制室が設置されました。衛星の運用は、ソニーとソニーワイヤレスコミュニケーションズ株式会社に加え、東京大学の中須賀船瀬研究室および株式会社アークエッジスペースが共同で行います。
今後は、カメラで撮影した静止画・動画をダウンリンクするために使用するXバンドの通信確立が計画されています。カメラを含む全てのコンポーネントやシステムの健全性を確認した後、より高度な軌道へ衛星を投入するために、水レジストエンジンを使用した高度上昇運用が実施されます。

超小型人工衛星「EYE」について

「EYE」は、ソニーが国立大学法人東京大学(以下、東京大学)および宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で推進する「STAR SPHERE」プロジェクトのもと開発された超小型人工衛星です。専用シミュレータを通じて地上からの遠隔操作が可能で、宇宙空間から撮影された静止画や動画を、宇宙飛行士さながらのリアルな視点で人々に届けます。

これまで数々の人工衛星が、科学的知見の獲得や社会の安心・安全、利便性向上を目的に打上げられてきました。「EYE」は、新たなアプローチとして、宇宙から自分で撮影する体験を提供することにより、多くの人々の心を豊かにする目的で打上げられる人工衛星です。

超小型人工衛星「EYE」のイメージ
Credit:ソニーグループ株式会社

「EYE」を使った撮影サービスについて

「EYE」を使った宇宙からの写真撮影を体験できる「宇宙写真ツアー」と「宇宙写真プレミアム」は、一般向けサービスとして2023年春に提供が開始される予定です。

■宇宙撮影ツアー
著名人などの特別ゲストやソニーがおすすめの衛星軌道をツアー形式で案内するサービスです。特定の衛星軌道の魅力や見どころなどの説明を含め、各コンテンツのシナリオに沿って、宇宙旅行のような体験ができます。撮影条件となる衛星軌道やカメラワークはあらかじめ決められており、ユーザーは10分程度の中から、任意のタイミングでシャッターを押すことにより撮影できます。ユーザーは任意の日付とゲストに基づいてツアーを選択できます。

■宇宙撮影プレミアム
「EYE」が地球を一周する約95分間の中から任意の10分間、カメラワークを全てユーザーが指定し、静止画や動画を撮影できるサービスです。ユーザーは被写体、カメラワーク、カメラ設定を自由に設定できます。

このほか、撮影体験を活用した、クリエイターやアーティストとの「宇宙視点の芸術」の創作活動や様々な企業との協業に取り組むことで、新たな価値観や感動体験の創出を目指しています。