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アストロスケール、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」の出荷を完了

Credit: アストロスケール プレスリリース

スペースデブリの除去を含む軌道上サービスの提供を目指す株式会社アストロスケールホールディングス(東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星の製造・開発を担う株式会社アストロスケール(東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅)は、2023年10月4日、2023年度内にミッション実施を予定している商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(Active Debris Removal by Astroscale-Japan )」のニュージーランドへの出荷を完了したと発表した。

本衛星の輸送は、アストロスケールとマーケティングパートナーシップを締結している郵船ロジスティクス株式会社(東京都品川区、代表取締役社長 岡本宏行)が担当した。

アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指すJAXA(宇宙航空研究開発機構)の商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズⅠの契約相手方として選定、契約を受けて、ADRAS-Jを開発。
2023年9月26日には報道関係者に向けてADRAS-Jの技術詳細やミッション内容を解説するメディアセミナーを実施している。

ADRAS-Jミッションのイメージ映像
Credit: Astroscale YouTubeチャンネル

ADRAS-Jは、ニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Lab社の第1発射施設(Launch Complex 1)から、同社のロケット「Electron(エレクトロン)」により打上げられる予定。

軌道投入後、非協力物体である日本由来のロケット上段への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行う。

このミッションは、実際のデブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初の試みとなり、デブリ除去を含む軌道上サービスの実現に向けて不可欠な実証となる。

アストロスケール代表取締役社長の加藤英毅氏は出荷完了に際し、「衛星の製造完了と出荷はプロジェクトにおける大きなマイルストーンであり、これにより、本実証は開発のフェーズから打上げ・運用のフェーズに移行しました。ADRAS-Jの打上げ、そして軌道上で運用を開始することを心待ちにしています」とコメントを発表した。

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