宇宙での実証・実験後に地球に帰還可能な人工衛星を開発する株式会社ElevationSpace(宮城県仙台市、代表取締役CEO 小林稜平)は、2025年に打ち上げを予定している「ELS-R」初号機の愛称を、「あおば」(AOBA)に決定したと発表した。
2030年のISS(国際宇宙ステーション)退役を見据え、ElevationSpaceは無重力環境を生かした実験や実証を無人の小型衛星で行い、それを地球に帰還させて顧客のもとに返す世界初の宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」の提供を目指している。
今回愛称が決定された「あおば」は「ELS-R」シリーズの初号機(技術実証機)で、「ELS-R100」と呼称されてきた。
2025年の打ち上げを予定しており、人工衛星の開発技術に加え、日本の民間企業が成功させたことのない“宇宙に打ち上げた小型衛星を制御して地球に帰還させる”ことを実現するための「軌道離脱」「大気圏再突入」「回収」といった技術の実証を目的としている。
「あおば」の重量は約200kg、大きさは約1m四方で、地球低軌道上で約半年間の実証・実験を行った後、回収ペイロードを搭載した再突入カプセルが地球に帰還、海上での回収が予定されている。
「あおば」では、ワンチップ顕微観察技術を開発する株式会社IDDKやバイオベンチャーの株式会社ユーグレナのほか、企業名・実証内容非公表の案件として、宇宙機用小型推進システム、宇宙転用を目指す車載コンポーネントなどの実証を行う予定されている。
愛称決定にあたっては、ElevationSpace社で開発にあたって創意工夫を重ねてきた社員から公募する形で、愛称アイデアが募集された。
社内からは13案の応募があり、一次選考としてElevationSpaceや初号機ミッションとのつながりをイメージできるかどうか、人工衛星の名称として商標登録されていないことなどを確認したうえで絞り込まれた5案について、提案した社員自らプレゼンを行う愛称決定イベントを10月12日に開催。
社員投票により「仙台の新緑を想像できる」「青葉山で開発されたものだとイメージが付きやすい」「ElevationSpaceのイメージカラーと合っている」などのコメントを受けて、同社Manager, Communication Systemの米津佑亮氏が提案した「あおば」に決定したという。