TOPPANホールディングス株式会社(東京都文京区、代表取締役社長 麿秀晴)は、宇宙・天文学の長期的でユニバーサルな視点から新たな価値を生み出す思考法「スペースイノベーションフレームワーク™」を開発したと発表した。
今後、企業の人財育成や事業開発支援プログラムなど向けに提供を開始していく予定。
同社が開発した「スペースイノベーションフレームワーク™」は、同社が2017年に開設した「人財開発ラボ™」の取り組みとして、高梨直紘氏(東京大学 特任准教授)、岡村定矩氏(東京大学 名誉教授)、吉田幸司氏(クロス・フィロソフィーズ株式会社 代表取締役社長)らの監修の下、開発された思考法。
宇宙・天文学、哲学からの学びや知見をビジネスシーンに応用することで、日常的な視野にとらわれた思考の枠組みを打破するとともに、思考を深掘り本質を捉える力、また科学だけでは解決できない課題に対し科学の限界を超える思考を身につけ強化することにより、長期的でユニバーサルな視点から新たな価値を生み出すことを目指す。
同社の人財開発ラボではこれまでにもアーティストの思考ロジックをフレームワーク化し、ビジネスシーンにおける新たな発想に結びつける思考法「アートイノベーションフレームワーク™」を開発しており、自社の社員だけでなく、他企業での研修や、ビジネスパーソン個人が生日のための利用できるプログラムとして提供してきた。
今回のスペースイノベーションフレームワークでは、同ラボが研究活動で獲得した宇宙・天文学、哲学の知見をビジネスシーンに取り入れフレームワーク化。
「航行」「回顧」「把握」「責任」「覚悟」という5つのステップを通して長期的でユニバーサルな視点から新たな価値を生み出す思考力を養うことを目指す。
①航行 | 地球から疑似的に宇宙空間に飛び出し、宇宙の広さを体感。今まで自分が把握していた空間の感覚を広げ、既存の思考の枠組みを外す。 |
②回顧 | 時間軸の視点から「宇宙、地球、生命、人類の誕生、人類の歩み」について考え、宇宙・地球・人類の過去から現在までの歩みを理解。 |
③把握 | 地球規模で問題となる気候変動や環境危機など、地球と人類が置かれている状況を体系的に認識。自身も近視眼的・短期的思考になっていないかを確認。 |
④責任 | 150年後の子孫が暮らすあるべき地球・宇宙環境や、あるべき生命・人類の姿を長期的・ユニバーサルな思考で考える。 |
⑤覚悟 | ④で考えた未来に渡る責任を認識した上で、どのようなビジネスを展開するべきかを考え、その覚悟を決める。「私たちは未来の子供たちのために、今どのように行動すれば「良き祖先」になれるか」を考える。 |
Credit: TOPPANホールディングス株式会社 プレスリリース
TOPPANグループでは、2022年度から新任本部長研修・管理職研修でスペースイノベーションフレームワーク™を活用している。
今後、これらのフレームワークを人財育成プログラムに活用し、新しい価値を生み出す能力を高め、価値創造を実現できる人財の育成を目指すとともに、同フレームワークを活用した人財開発プログラムの外販についても検討を進めていくとしている。
近年、ビジネス領域では、気候変動やAIの登場など社会を大きく変化させる課題に対して哲学や倫理学といった観点から問題を問い直し、解決策を探るという試みが行われている。
そうした流れの中で、「宇宙・天文学」にもフォーカスを当てた今回の取り組みは、宇宙が社会の中でよりいっそう身近に、また重要な存在となっていることを表しているとも言えそうだ。