2024年1月9日、NASA(米航空宇宙局)は、アルテミス計画の2段階目として、初の有人宇宙機による月周回を行う「アルテミスⅡ」について、2025年9月を目標としていると発表した。
また、アルテミスⅡに続いて行われる、宇宙飛行士による月南極付近への初着陸を目指す「アルテミスⅢ」についても2026年9月を実施目標にするとした。
今回の発表の中でNASAは、スケジュール変更の主な要因はクルーの安全確保であると説明。
オリオン宇宙船による有人試験飛行では、宇宙飛行士をサポートするために必須の環境制御システムと生命維持システムの試験を行うことになるが、クルーの安全とミッションの確実率を向上させるためのコンポーネント認定の試験の中で、解決に時間を要する問題が生じたとしている。
当初、アルテミスⅡは2023年、アルテミスⅢは2024年がマイルストーンとして設定されていた。
また、アルテミスⅡとⅢのスケジュール更新に伴い、NASAは、これまで2025年10月に予定されていた月軌道上の拠点「ゲートウェイ」の最初の構成要素の打ち上げスケジュールを見直し、2028年のアルテミスIVミッションとの整合性を高めるとした。
官民双方で月を目指す動きが活発化している中、中心的な月面探査・月面開発プロジェクトであるアルテミス計画の進捗は、各方面に影響を与えることになりそうだ。