2024年1月16日、株式会社アクセルスペース(東京都中央区、代表取締役 中村友哉)は、同社が展開する地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」が、国土地理院が進める「衛星・AIを活用した地図更新の効率化」に採用されたと発表した。
国土地理院では、国土の現況を統一した規格で表し、さまざまな地図の基礎となる地図(基本図)の整備を行っており、2009年からはデジタル形式の基本図「電子国土基本図」の整備を行っている。
電子国土基本図は、カーナビや地図アプリ、ハザードマップなど、民間・行政のあらゆる地図の基礎として活用されており、電子国土基本図の整備・更新と活用促進は、政府における重要施策の一つに位置づけられている。
同院では、これらの活動の生産性向上を目的として、2つの異なる時期に撮影された衛星画像とAIによる画像分析から、変化部を抽出する技術の開発とシステム構築を進めており、今回採用されたAxelGlobeは、全国の地物(道路・建物や、土地の状況を表す植生・崖・岩・構造物などの情報)の最新状況を表す「雲のない」衛星画像データの提供を通じて、この取り組みを後押しする。
AxelGlobeでは、最大2.5mの分解能(地上の2.5mのものを識別できる能力)を持つ5機の衛星・GRUS(グルース)により、地球上の同一地点を2〜3日に一度の頻度で観測。
今回のプロジェクトに向けては、「AxelGlobe モザイク」を新たに開発し、複数回撮影した同一地点の画像を用いて、雲のない衛星画像データの組成と提供を実現したという。
今回の採用を受け、アクセルスペースAxelGlobe事業本部長の深澤達彦氏は「電子国土基本図という社会の基盤となる重要なデータベースにおける今回のAxelGlobeの採用は、信頼性と対応の柔軟性を高く評価いただけた結果であると受け止めております。今後も、AxelGlobeによる高付加価値サービスの提供を通じて、国土地理院様の取り組みに貢献してまいります」とコメント。
社会のデジタル化が進行する中で、地理空間情報のデジタル化や精密化は安全・安心とともに新ビジネス創出の基盤ともなりうる。
衛星画像が地上の社会基盤に大きく貢献していることを示す取り組みといえそうだ。