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JAXAの小型月着陸実証機SLIMが着陸に成功 世界5カ国目、待たれるデータ解析

月面着陸の際の特殊QL画面
Credit: JAXA|宇宙航空研究開発機構 YouTubeチャンネル

史上5カ国目、月への着陸に成功

2024年1月20日0時20分、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の小型月着陸実証機「SLIM」が月面へのピンポイント着陸に挑戦し、軟着陸に成功した。

月面着陸の成功は、旧ソ連、アメリカ、中国、インドに続き史上5カ国目。
SLIMは精度100m以内での高精度着陸を目指しており、達成が確認されれば日本の宇宙開発技術が非常に高い水準にあることを世界に示すことになる。

同日、午前2時すぎからは記者会見が行われ、JAXA理事長の山川宏氏、JAXA理事・宇宙科学研究所所長の國中均氏、JAXA宇宙科学研究所副所長・太陽系科学研究系 教授の藤本正樹氏が登壇、記者らの質問に答えた。

SLIMの現在の状況について、國中氏は、通信は正常で地球からのコマンドも正常に受信しており、探査機は問題なく稼働していると説明。一方で、搭載されている太陽電池パネルが発電を行っていないとした。

そのため、現状では科学成果の最大化のためにSLIMが着陸の際に取得した航法データの地球へのダウンリンクを優先。ヒーターを切るなどしてバッテリーを温存していると話した。

國中氏は探査機の他の機能は正常に動作しているため、太陽電池パネルだけが故障したとは考えにくく、パネルが当初考えられた方向を向いていない姿勢になっているおそれがあると指摘。

今後、月に当たる太陽の向きが変わることでパネルに日光が当たり、発電が開始される可能性もあるとした。

SLIMのミッションでは、成功基準(サクセスクライテリア)を下記のように設定していた。

ミニマムサクセス小型軽量な探査機による月面着陸を実施する。
それによって、以下の2項目を達成する。
・高精度着陸に必須の光学照合航法を、実際の月着陸降下を実施することで検証する
・軽量探査機システムを開発し、軌道上動作確認を行う
フルサクセス精度100m以内の高精度着陸が達成されること。
具体的には、高精度着陸航法系が正常動作し、誘導則に適切にフィードバックされ、着陸後のデータの解析により着陸達成に至る探査機の正常動作と着陸精度達成が確認されること。
エクストラサクセス高精度着陸に関する技術データ伝送後も、日没までの一定期間、月面における活動を継続し、将来の本格的な月惑星表面探査を見据え、月面で活動するミッションを実施する。

このうち、ミニマムサクセスについては成功、フルサクセスの基準である100m精度での着陸が成功したかはデータ解析中で、後日改めて会見が行われる予定。また、エクストラサクセスに関しては太陽電池パネルが機能していないため達成が難しいとの見通しが示された。

さらに、今回のミッションでは月への降下途中に小型プローブ「LEV-1」と「LEV-2」の分離も行われ、これも成功した。通信も確立されており、現在はデータ取得・分析が進められている最中だという。

今後、SLIMとLEVからどのような情報が得られるか、続報を期待したい。

解説動画・月面着陸の難しさとは?

今回のSLIMプロジェクトも含め、近年、世界各国・企業が月へ探査機を送り込む取り組みを進めている。
こうした世界の状況や、技術的観点からのポイントについては、下記の動画もご覧いただきたい。

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