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文部科学省、「宇宙戦略基金」で支援する技術開発のテーマ案を公表

文部科学省は、2024年4月9日に第85回宇宙開発利用部会を開催し、令和5年度補正予算でJAXAに造成された「宇宙戦略基金」のうち、文部科学省分の1,500億円を活用して技術開発の支援を行うテーマの案を公表した。

テーマは、今後10年で取り組むべき技術開発のうち、すでに宇宙分野での計画や資金ニーズが顕在化しており、速やかに支援に着手すべきものを中心に設定。

「衛星等」の分野では「高分解能・高頻度な光学衛星観測システム」に総額280億円程度(上限)・支援期間5年程度(最長)、「高精度衛星編隊飛行技術」に総額45億円程度(上限)・支援期間7年程度(最長)などが挙げられており、「輸送」では、「宇宙輸送機の革新的な軽量・高性能化及びコスト低減技術」に総額120億円程度(上限)・支援期間5年程度(最長)、「将来輸送に向けた地上系基盤技術」に総額155億円程度(上限)、支援期間5年程度(最長)というテーマが挙がっている。

また、「探査等」では、地球低軌道利用において「国際競争力と自立・自在性を有する物資補給システムに係る技術」に対し、総額155億円程度(上限)・支援期間5年程度(最長)、月面開発においては「再生型燃料電池システム」に総額230億円程度(上限)・支援期間4年程度(最長)、火星探査においては「大気突入・空力減速に係る低コスト要素技術」に対して総額100億円程度(上限)・支援期間6年程度(最長)という内容となっている。

さらに、宇宙分野の裾野拡大やJAXAを超える技術革新に向けた取組を分野横断的に推進することを目指す「分野共通」分野では、「SX研究開発拠点」に総額110億円程度(上限)・支援期間8年程度(最長)というテーマが掲げられている。

文部科学省における「宇宙戦略基金」の技術開発テーマ案
Credit: 文部科学省 宇宙開発利用部会(第85回)配付資料のページより

今回示されたテーマ案は、今後さらに検討を経てから決定され、事業者の公募が行われる見通し。

先ごろ策定された「宇宙技術戦略」と合わせ、2024年に入ってから宇宙開発・宇宙利用関連の政策の動きが活発さを増している。
今回公表されたテーマ案や、宇宙技術戦略を読み込むことで新たな技術開発の方向性やビジネスへのヒントが見えてくることも多そうだ。この取り組みの勢いが、ゆくゆくは日本経済全体に波及していくことを期待したい。

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