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日本科学未来館、「宇宙と素粒子」に関する常設展示を公開 2025年春より

Credit: 日本科学未来館 プレスリリース

2024年6月27日、日本科学未来館(館長 浅川智恵子)は、2025年4月に「宇宙と素粒子」と「量子コンピュータ」に関する2つの常設展示を新たに公開すると発表した。

同館はプレスリリースで、2つの展示に共通するテーマは「知と技の最前線」と説明。

展示は、容易にうかがい知ることができない「量子」や「宇宙」という未知の世界の探究に高度な技術開発で挑戦し、成果を未来へつなぐ科学技術研究の営みを紹介し、未来への可能性に満ちた壮大な研究開発の最前線を、体験的な展示を通して楽しみながら理解することができる内容になるという。

「宇宙と素粒子」の展示イメージ
Credit: 日本科学未来館 プレスリリース

「宇宙と素粒子」をテーマとする新展示は、日本科学未来館5階の常設展示ゾーン、広さ約125平方メートルのエリアに設置される。

未知なる宇宙を探究するために生みだされてきた数々の観測技術と、粒子加速器という巨大装置を用いて宇宙の初期状態を再現する研究を合わせて紹介。

特に近年、可視光や電波、赤外線、X線などの光による宇宙の観測に加え、ニュートリノや重力波といった光以外の観測を組み合わせて、多角的に天体現象をとらえる「マルチメッセンジャー天文学」が大きく進展している。ひとつの観測手段では部分的にしか理解できなかった現象を複合的に見ていくことでその全体像を明らかにしていく研究者たちの情熱と、積み重ねられてきた「知」の厚み、そして宇宙の奥深さを体感できる展示となる予定だ。

「宇宙と素粒子」の展示に関しては、総合監修を東京大学卓越教授(宇宙線研究所)の梶田隆章氏が担当し、監修者には千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター教授の石原安野氏、東北大学大学院理学研究科教授の田中雅臣氏、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所准教授の中山浩幸氏が名を連ねる。

新展示公開に先立ち、館長の浅川智恵子氏は、「人類は未知の世界を探究して得た新たな知から、未来につながる技術を生み出し続けています。今回は、こうした研究者たちの努力の一端を感じていただける展示です。探究学習の入り口としても活用していただけるよう工夫しています。ご期待ください」と述べている。

これまでにも「NEO 月でくらす展」など、宇宙好きを惹きつける特別展等を開催してきた日本科学未来館(関連記事)。常設として宇宙をテーマとした展示ができる背景には、近年の宇宙開発の進展や宇宙ビジネスの盛り上がりなどもあるかもしれない。

新たな展示の公開時期は2025年4月の予定。詳細情報は今後随時公開されていくということで、今からその全貌が楽しみな展示となりそうだ。

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