目次
SpaceXが6回目のスターシップ・スーパーヘビーの飛行試験を実施 タワーでの「キャッチ」は実施せず
アメリカ中部標準時間2024年11月19日午後4時(日本時間11月20日午前7時)、イーロン・マスク(Elon Musk)氏率いるSpaceXは大型ロケット「スーパーヘビー」と宇宙船「スターシップ」の6回目の飛行試験を実施した。
10月15日に行われた5回目の飛行試験では、打ち上げられた大型ロケット「スーパーヘビー」を発射タワーに設けられたアームでキャッチすることに成功していたが、今回は見送られ、メキシコ湾に着水した。
一方の「スターシップ」は今回初めて宇宙空間でのエンジン点火に成功した。
なお、SpaceXは公式X(旧Twitter)で、今回の飛行試験のペイロード(積荷)は、同社の衛星通信サービスStarlinkの端末・Starlink Miniとほぼ同じ大きさのバナナ1本だと紹介している。
Space BDと名商大ビジネススクール、宇宙ベンチャーの事業変遷や経営をテーマにした教材を開発
2024年11月20日、経営大学院である名商大ビジネススクール(愛知県名古屋市、学長 栗本博行)と、宇宙産業における総合サービスを展開するSpace BD株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 永崎将利)は、Space BDの歴史や事業変遷、経営エッセンスを題材にしたビジネスケースを作成し、日本ケースセンター(CCJ)への登録が完了したと発表した。
名商大ビジネススクールは、経営大学院に関する3大国際認証(AACSB・EQUIS・AMBA)すべてを取得した国内唯一の経営大学院。ビジネスパーソンに教材を通じて宇宙産業への興味関心を高めることを目指し、両者が約2年かけて教材を作成した。
この教材は11月20日よりCCJで販売が開始され、全国の大学院等の教育機関が利用できる。同社によると、同教材は今後、ハーバードビジネススクールが運営するHarvard Business Publishingにも登録される見込みで、海外のビジネススクールや企業研修等のマネジメント教育教材としても活用される予定だという。
NASA、SpaceXとBlue Originに、アルテミス計画に向けた月面用貨物輸送船の開発委託へ
2024年11月19日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、Blue Origin(アメリカ・ワシントン州、Founder Jeff Bezos)とSpaceX(アメリカ・テキサス州、Founder Elon Musk)の既存の契約に基づいて、アルテミス計画において、月面に大型の機器やインフラを運ぶ着陸船を開発する追加業務を委託する予定であると発表した(NASAによる発表)。
SpaceXとBlue Originの両社は有人着陸システムの提供事業者として選定されているが、実証ミッションを割り当てることで大型貨物輸送船の設計を洗練させたい考えだ。
NASAは、2032年度以降として宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めている有人与圧ローバーを、2033年以降として月面居住施設の輸送という、少なくとも2回の大型貨物輸送ミッションを計画している。
北極の氷河が急速に後退 ESAの衛星・センチネル1の観測で明らかに
欧州宇宙機関(ESA)は2024年11月19日付の記事で、地球観測衛星「センチネル1(Sentinel-1)」のデータから、北極圏で氷河が急速に後退しつつあり、氷河の崩壊も激化していることを公開した。
これは、ESAが資金を提供して衛星データによる氷河の年次分析を行う「Space for Shore」プロジェクトの結果明らかになったもので、研究者らはSentinel-1から取得した1,000枚超の画像から、北極圏にあるノルウェー領・スヴァールバル諸島の沿岸氷河の進化を詳細にモニターした。
ESAによる記事中では、2015年から2023年の間の氷河の変化をアニメーションで見ることができる。
なお、来月にはセンチネル1-C衛星が打ち上げられる予定で、より詳細なデータ取得能力が強化されることになるという。