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H3ロケット5号機、来年2月に打上げ 準天頂衛星「みちびき6号機」を搭載
2024年12月11日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H3ロケット(参考記事)5号機による「みちびき6号機」(準天頂衛星)の打上げを2025年2月1日(土)に行う予定となったことを発表した。
打上げ日程等の概要は下記の通り。
打上げ予定日時:2025年2月1日(土)17時30分~19時30分(日本標準時)
打上げ予備期間:2025年2月2日(日)~2025年3月31日(月)
打上げ場所:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場
日本の衛星測位システムである「みちびき」は、2018年11月にサービスを開始。他国のGNSS(全球測位衛星システム)を必要としない7機体制での運用を目指しており、6号機の打上げ・軌道投入が成功すればこの目標に一歩近づくこととなる。
アストロスケールのデブリ除去実証衛星、デブリから約15mの距離まで接近
2024年12月11日、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去等の軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(東京都墨田区、代表取締役社長兼CEO 岡田光信)子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担う株式会社アストロスケール(東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅)は、同社が今年2月に開始した商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ)」のミッションにおいて、観測対象のデブリから約15mの距離に接近することに成功したと発表した。
同社によると、これは、民間企業がRPO(ランデブ・近傍運用)を通じて実際のデブリに接近した世界で最も近い距離となる。
「ADRAS-J(アドラスジェイ)」のミッションでは、位置データ提供や姿勢制御などを行えないデブリに安全に接近し、近距離でその状況を調査する技術の実証を目的にしており、デブリに約15mの距離まで接近。一定の時間、相対的な距離と姿勢を維持した後、デブリとの相対姿勢制御の異常を検知して自律的に退避したという。
同社では、この接近・退避によって軌道での運用におけるデータ収集とともに、同社が目指す軌道上サービスの提供に向けたRPOの実績を積むことができたとしている。
日本酒ブランドの「獺祭」宇宙での酒づくりに挑戦、希望小売価格は100mLで1億円
2024年12月11日、旭酒造株式会社(山口県岩国市、代表取締役 桜井一宏)は、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟内で、人類初となる宇宙空間での酒造りに挑戦すると発表した。
2025年後半に、日本酒の原料である米(山田錦)と麹、酵母、水を打上げ、宇宙空間で発酵させて地球に持ち帰る。
「きぼう」で発酵させた醪(もろみ)約520gは冷凍状態で地球に持ち帰り、搾って清酒にした後に、分析で必要な量を除いた100mLをボトル1本に瓶詰めする。この1本は「獺祭MOON – 宇宙醸造」と名付けられ、希望小売価格1億円での販売を予定しているという。旭酒造では出荷額を全額、今後の日本の宇宙開発事業に寄付するとしている。
同社では、2040年代に人類の月への移住が実現する場合、酒は人々の「生活に彩りを与える存在になる」という考えのもと、三菱重工業株式会社および愛知県(あいち産業科学技術総合センター)の協力を受けて開発と打上げ準備を進めてきた。「きぼう」の活用については、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「きぼう」有償利用制度を活用しており、現在は醸造装置の開発に取り組んでいるという。
博報堂、宇宙ロボット開発等のスペースエントリーに3,000万円を出資
2024年12月10日、株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長 水島正幸)は、宇宙ロボット開発と民間企業等の宇宙業界参加サービスの提供を手がけるスペースエントリー株式会社(茨城県つくば市、代表取締役 熊谷亮一)に出資したと発表した。
出資額は3,000万円。
博報堂は2012年に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)協力のもと、宇宙から日本を元気にする「ひらけ宇宙プロジェクト」を発足し、JAXA宇宙飛行士候補者の募集キャンペーンの支援等を実施してきた。
今回の出資を通じ、博報堂のクリエイティビティにスペースエントリーの技術力を組み合わせ、宇宙ビジネスに関心のあるクライアントに対しより専門性の高い提案を実施していきたいとしている。