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自然資本モニタリングのArcheda、プレシリーズAの資金調達を実施 開発・組織体制を強化

2025年6月10日、衛星データとAI解析を活用した自然資本モニタリングソリューションの開発を行う株式会社Archeda(東京都千代田区、代表取締役:津村洸匡)は、第三者割当増資によるプレシリーズAの資金調達を実施したと発表しました。
調達額は公開されていませんが、引受先となったのは下記の4機関です。
- ONEカーボンニュートラル1号投資事業有限責任組合(運営:ONE Innovators株式会社)
- MEイノベーション投資事業有限責任組合(運営:グローバル・ブレイン株式会社)
- 北洋SDGs推進3号投資事業有限責任組合(運営:北洋銀行・北海道共創パートナーズ)
- 札幌イノベーションファンド投資事業有限責任組合(運営:株式会社DGインキュベーション)
カーボンニュートラル達成に向けては、二酸化炭素(CO2)の排出を削減することが重要で、対応の一つに、カーボンクレジットを購入して自社で排出したCO2と相殺するカーボン・オフセットがあります。
日本でも2026年度から「排出量取引制度」が本格稼働する予定で、森林などによるCO2吸収をクレジット化した「自然由来カーボンクレジット」の需要が高まると予想されますが、クレジットの信頼性担保が課題となっている面があり、Archedaでは衛星データやAIを活用してモニタリング・報告・検証(MRV)プロセスの信頼性向上と効率化を行うソリューションの開発を進めています。
同社では、調達資金を事業開発人材の採用強化やリモートセンシングデータ解析エンジニアの採用・体制構築、管理部門の人材拡充に重点的に活用し、開発体制・組織基盤を強化することで今後の事業成長とグローバル展開を加速していくとしています。
Synspective、先進レーダ衛星「だいち4号」のデータ・サービス事業者に新たに選定

2025年6月10日、株式会社Synspective(東京都江東区、代表取締役CEO:新井元行)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)のデータ・サービス事業者として選定されたと発表しました。
サービス提供開始時期などの詳細は今後決定されるということです。
昨年7月に打ち上げられたJAXAの衛星「だいち4号」については、一般ユーザ向けデータ・サービス事業者としてすでに株式会社天地人と株式会社パスコが選定されており、Synspectiveは3社目となります。
同社では自社で小型合成開口レーダー(SAR)衛星「StriX(ストリクス)」を開発・運用していますが、「だいち4号」は地表観測に適したLバンド、「StriX」は高解像度画像が取得できるXバンドという異なる波長を利用しており、双方の特性を活かして多様なニーズに応じるソリューションを提供したいとしています。
アークエッジ・スペース、超小型衛星「AE1c」による宇宙部品の軌道上実証サービスに成功

2025年6月11日、株式会社アークエッジ・スペース(東京都江東区、代表取締役 CEO:福代孝良、参考記事)は、自社開発の超小型衛星「AE1c」に搭載されたホステッドペイロードの軌道上運用を実施し、所定のミッションを計画通り完遂したと発表しました。
「ホステッドペイロードサービス」とは、顧客が開発した宇宙関連機器などを同社の超小型衛星に搭載し、宇宙空間での運用機会を提供するサービス。
今回のミッションでは、株式会社Pale Blue(千葉県柏市、代表取締役:浅川純)が開発した超小型水蒸気式推進機「PBR-10」を搭載。同ミッションの目的は軌道上での運用を通じたデータ取得と作動の健全性確認で、アークエッジ・スペースは衛星バスの開発、製造、ミッション達成に必要な衛星運用計画の策定から、運用支援までを実施しました。衛星と推進機はともに正常に作動し、所定の運用成果が得られたということです。
宇宙用機器の軌道上での実証はこれまで非常に機会が限られていましたが、こうしたサービスが増加することで、技術開発や事業開発の促進に寄与することが期待されます。
米Quantum Space、国家安全保障に対応する宇宙技術開発に向け約58億円を調達

2025年6月10日、アメリカの宇宙企業Quantum Space(アメリカ・メリーランド州、CEO:Kerry Wisnosky)は、シリーズA延長ラウンドで4,000万ドル(約58億円)の資金調達を完了したと発表しました(Quantum Spaceによる発表)。
投資にはPrime Movers Lab、Sporos Capital、1802 Ventures、AnD Venturesなどが参加。これにより昨年調達した1,700万ドル(約25億円)と合わせ、シリーズA全体での調達総額は5,700万ドル(約83億円)に達したということです。
調達資金は、同社の軌道間輸送機「レンジャー(Ranger)」の開発加速に充てられるとのこと。
SPACE Mediaでは、3月にQuantum SpaceがRangerによる衛星の寿命延長サービスを予定しているとした発表をお伝えしていますが(参考記事)、現在、同社ウェブサイトの現在のRangerに関する記載を確認すると、国家安全保障に重点が置かれており、また、今回の発表でも、Rangerは極超音速兵器や対衛星攻撃の脅威に対応する動的な多軌道防衛ミッション向けに設計されている、とされています。
同社は米国防総省から約3,000万ドル(約44億円)相当の契約を2件受注しているほか、最近ミサイル防衛庁の元幹部で40年以上のキャリアをもつリチャード・S・マトロック(Richard S. Matlock)氏を国防プログラム責任者に迎えており、トランプ政権の予算政策が同社の戦略にも影響を与えていることが見て取れます。
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