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米Maxar、スウェーデンの防衛大手Saabと戦略的パートナーシップを締結

2025年6月4日、衛星画像や地理空間データの提供を手がけるMaxar Intelligence(アメリカ・コロラド州、CEO:Dan Smoot、以下Maxar)は、スウェーデンの防衛大手・サーブ(スウェーデン・ストックホルム、CEO:Micael Johansson、以下Saab)と、地理空間データを活用した防衛ソリューションの開発に向けた戦略的パートナーシップを締結したと発表しました(Maxarによる発表)。
この提携は、宇宙ベースの指揮統制・通信・コンピュータ・サイバー・情報・監視・偵察(C5ISR)システム、ドローン用の自律型航法システムの開発に重点をおいたもの。SaabはMaxarの地理空間データとGPS代替用の航法ソフトウェア「Raptor」などを活用して防衛ソリューションの開発を進めるとしています。
両社はRaptorの試験を共同で実施し、このソフトウェアが2メートル未満の精度で座標を把握できることを実証済。今回の提携もこの試験の成功に基づいたものだということです。
5/20のニュースで政府機関への監視能力提供に向けた欧州企業の連携をお伝えしていますが、国際情勢の不安定化を背景に、各国・各地域で防衛意識が高まっています。衛星画像などの宇宙技術を活用したソリューションの開発はいっそう加速することになりそうです。
ASTRO GATE、HAPS開発のSkySenseと宇宙のまちづくりに関する意向表明書を締結

2025年6月10日、スペースポートの企画・運営を手がけるASTRO GATE株式会社(東京都あきる野市、代表取締役:大出大輔)は、飛行船型成層圏プラットフォーム(High-Altitude Platform Station:HAPS)を開発するSkySense合同会社(東京都港区、代表社員:アドディン パヴェル)と、宇宙を活用したまちづくりに関する意向表明書(LoI)を締結したと発表しました。
ASTRO GATEは世界各地でスペースポートの企画運営を進めながら周辺地域のまちづくりにも取り組んでおり、今回のLoI締結は同社の戦略の一環と位置づけられているとのこと。
SkySenseとは、HAPS領域における地上観測・通信サービスの提供を主軸に、まちづくりに対する計画立案や、さまざまな企業への新規事業開発支援、ソリューション提供を行っていくとしています。
カナダのMLS、ノバスコシア宇宙港の発射台増設に向け同州政府から約11億円の控除を獲得
2025年6月6日、カナダのMaritime Launch Services(カナダ・ノバスコシア州、CEO:以下MLS)は、カナダ東部にあるノバスコシア宇宙港での小型ロケット専用発射台の増設に向け、ノバスコシア州政府から資本投資税額控除(Capital Investment Tax Credit:CITC)を獲得したと発表しました(MLSによる発表)。
CITCは、同州での投資を促進するために、同州で承認されたプロジェクトの資本支出のうち25%を減額する仕組みで、控除額は約1,050万カナダドル(約11億円)。
これにより、MLSはノバスコシア州政府から累計で約3,070万カナダドル(約32億円)の税額控除を受けたことになるということです。
MLSはノバスコシア宇宙港に専用発射台を増設することに加え、安全で効率的な軌道打上げに必要なインフラ一式も整備するとしており、これにより国内外の顧客に対応できるとしています。
また、同社は、発射台増設が雇用創出・地域経済・投資誘致・衛星通信の能力確保といった面で、州全体に利益をもたらすともしています。
SPACE WALKER、メタンエンジンを構成する「ガスジェネレータ」の燃焼試験を実施

2025年6月6日、株式会社SPACE WALKER(東京都港区、代表取締役CEO:眞鍋顕秀)は、室蘭工業大学(北海道室蘭市、学長:松田瑞史)の白老試験場敷地内にて、同社が開発を進める、推力10トン級メタンエンジンのコンポーネントである「ガスジェネレータ(ガス発生器)」単体の燃焼試験を実施したと発表しました。
試験は今年5月21~28日の期間、計97回にわたって行われ、燃焼時間は最大19秒。ガスジェネレータの着火特性・燃焼特性を取得するとともに、タービン駆動ガスに要求される燃焼ガス温度分布の均一化が確認できたということです。
同社は2028年に打上げを目標に、サブオービタルスペースプレーンの「RaiJinミッション」に向けてエンジンの開発を進めており、エンジンは専用のガスジェネレータを用いてタービンを駆動する仕様。
ガスジェネレータは少ない部品点数で軽量、かつ経済性の高さを実現するため、金属3Dプリンターで製造されています。
打上げロケットの1段目用エンジンとして使用される想定で、燃料にはバイオメタン(LBM)を採用するということです。
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