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UAEの宇宙企業SPACE42、次世代衛星開発に向け約1,050億円を調達
2025年7月23日、アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするAI宇宙技術企業SPACE42(アラブ首長国連邦、会長:H.E. Mansoor Al Mansoori、参考記事)は、次世代静止衛星「Al Yah 4」「Al Yah 5」の開発資金として、6億9,550万ドル(約1,017億円)を調達したと発表しました(SPACE42による発表)。
これは輸出信用機関(ECA)を通じた融資枠の契約によるもの。2機の衛星は軌道上で再構成可能なソフトウェア定義アーキテクチャを採用し、リアルタイムでの通信最適化が可能だとのこと。打ち上げは2027年と2028年に予定されており、中東・アフリカ・欧州・アジア地域での通信能力を強化に寄与するとしています。
SPACE42の最高財務責任者であるアンドリュー・コール(Andrew Cole)氏は、Al Yah 4・5プログラムは、2026年から17年間にわたる51億ドル規模の政府契約に裏づけられているとしたうえで、「マルチパス重要通信ソリューションの提供によりセキュアな接続分野でのリーダーシップ確立を目指す」とコメントしています。
将来宇宙輸送システム、SUPWATと協業 次世代ロケット燃料タンクの設計最適化システムを開発

Credit: 将来宇宙輸送システム株式会社 プレスリリース
2025年7月24日、将来宇宙輸送システム株式会社(東京都中央区、代表取締役:畑田康二郎)は、製造業向けDXプラットフォーム「WALL」を展開する株式会社SUPWAT(東京都中央区、代表取締役CEO:横山卓矢)と、ロケットの燃料タンクの軽量化および高強度化を目的に協業を進め、ロケット用燃料タンクの設計最適化システムおよび新構造の燃料タンクの開発に着手していることを発表しました。
将来宇宙輸送システムでは、宇宙往還機の開発を進めていますが、中でも極低温での取り扱いが必要な液体燃料を用いるロケットのタンクには、安全性に加えてタンクの軽量化や貯蔵効率、耐圧、強度などさまざまな条件が求められ、これらの条件はトレードオフの関係にあることもあります。
そこで同社では燃料タンクの主材料に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いて、燃料タンクの重量軽量化・高強度化・低コスト化を実現する極低温対応燃料タンクの開発を行うことを目的に、SUPWATと協業し、設計最適化システムの開発に着手することになったということです。
すでに、第1フェーズである設計最適化システムの開発は昨年12月に完了しており、現在は第2フェーズとして、設計最適化システムを用いたタンクの構造の最適化についての検討を進めているということです。
JAXA、H3ロケット6号機の1段実機型タンクステージ燃焼試験を実施
2025年7月24日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H3ロケット6号機(30形態試験機)の打上げに向けた開発試験の一環として、23日から24日にかけて1段実機型タンクステージ燃焼試験を種子島宇宙センターにて実施し、試験は計画通り終了したと発表しました。
今回の試験は、第1段推進系の機能・性能確認や、全システムの打上げまでの一連の作業を通じた機能確認、作業性・手順の確認が目的。機体を発射台に固定した状態で燃焼試験が行われました。
燃焼試験の様子はYouTubeでライブ配信されており、アーカイブを観ることができます。
H3ロケット6号機は「30形態」とも呼ばれ、太陽同期軌道へ4トン以上の打上げ能力を有するとともに、打上げ価格の低減を目指して開発が進められています。
JAXAの技術を活用、衛星レーザー測距用小型・超小型リフレクター発売

2025年7月24日、石敏鐵工株式会社(愛知県碧南市、代表取締役:石川実良)は、「衛星レーザー測距(Satellite Laser Ranging:SLR)用小型リフレクター」と「SLR用超小型リフレクター」を7月30日に発売すると発表しました。
SLR用リフレクターとは、地上から人工衛星に向けてレーザー光を照射し、衛星との距離を高精度(ミリメートルオーダー)に測定する「衛星レーザー測距」に使用される反射器。
今回発売される製品は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した小型リフレクター「Mt.FUJI」の技術に基づき、正式なライセンス契約のもとで製造されるとのこと。
衛星レーザー測距は、人工衛星の正確な位置把握や軌道管理に不可欠な技術で、スペースデブリとの衝突リスク低減にも貢献するということです。
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