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三菱電機、グリーンテック系新興と宇宙用太陽電池関連部品開発に着手

2025年8月21日、三菱電機株式会社(東京都千代田区、代表執行役 執行役社長:漆間啓)は、「宇宙戦略基金」第一期の公募テーマの一つ「衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証」(分野:衛星等)の技術開発課題「国産太陽電池セル・カバーガラスおよび搭載アレイの開発」の代表機関としてJAXAと契約を締結したと発表しました。
近年の衛星市場の拡大に伴い、衛星に搭載される宇宙用太陽電池セルと宇宙放射線から太陽電池セルを守るカバーガラスの需要が増加し、世界的な供給不足による価格高騰・長納期化が課題となっているとのこと。
三菱電機は、太陽電池セルの開発では、この分野で最先端の技術を有するグリーンテック系スタートアップの株式会社PXP(神奈川県相模原市、代表取締役社長:栗谷川悟)と連携。ペロブスカイト/CIGSタンデム太陽電池セルの宇宙環境での実用化に向けた検討を行うとしています。
ペロブスカイト/CIGSタンデム太陽電池セルは、従来品と同等の変換効率をもちながら宇宙放射線への耐性が高く、また、ペロブスカイト太陽電池セル、CIGS太陽電池セルは、それぞれ従来品と比較して容易に製造できるため低価格化、量産化に適しているということです。
「大学発ベンチャー表彰2025」、科学技術振興機構理事長賞にアークエッジ・スペース

2025年8月21日、科学技術振興機構(理事長:橋本和仁、以下JST)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(理事長:斎藤保、以下NEDO)は「大学発ベンチャー表彰2025~Award for Academic Startups~」の受賞者を決定し、科学技術振興機構理事長賞に株式会社アークエッジ・スペース(東京都江東区、代表取締役CEO:福代孝良)が選出されました。
「大学発ベンチャー表彰~Award for Academic Startups~」は、2014年度から、大学等の研究開発成果を活用して起業したベンチャーのうち、今後の活躍が期待される優れた大学発ベンチャーと、その成長に寄与した大学や企業などを表彰する制度です。
科学技術振興機構理事長賞となったアークエッジ・スペースは、東京大学中須賀研究室発の宇宙スタートアップで、リモートセンシングや、IoT通信、月面インフラ・深宇宙探査など、幅広い用途に対応する衛星を開発しています(参考記事1、参考記事2)。今後、次世代衛星ネットワークの構築や途上国における通信サポートなど、グローバルに寄与する可能性が評価され、表彰に至りました。
IBMとNASA、太陽フレア予測AI「Surya」をオープンソースとして公開
2025年8月20日、IBMとアメリカ航空宇宙局(NASA)は、太陽フレアや太陽嵐の予測を行う人工知能(AI)モデル「Surya(スーリヤ)」を一般公開したと発表しました(IBMによる発表)。
「Surya」はサンスクリット語で「太陽」を意味し、太陽物理学専用としては世界初の基盤モデル。NASAの太陽観測衛星「SDO」が15年間にわたって撮影した画像データを活用して開発されたということです。
太陽フレアは、太陽表面で発生する爆発現象で、地球の電力網やGPS、インターネット通信に深刻な影響を与える可能性があります。太陽の活動が活発な時期には、月に数百回発生することもあります。
従来は、膨大な観測データから太陽嵐の兆候を見つけ出すのに時間がかかっていましたが、「Surya」により自動化が可能になったということです。
このAIモデルは、プログラム共有サイト「Hugging Face」や「GitHub」で無料公開されており、研究者や開発者が太陽嵐予測システムを構築するのに活用できるとのこと。宇宙飛行士の安全確保や、地上インフラの保護に役立つことが期待されます。
北九州市と東京科学大学ら、協働開始 半導体、宇宙関連研究成果の社会実装目指す

Credit: 北九州市 プレスリリース
2025年8月22日、福岡県北九州市(市長:武内和久)は、国立大学法人東京科学大学(東京都目黒区、理事長:大竹尚登)、公益財団法人北九州産業学術推進機構(福岡県北九州市、理事長:松永守央、以下FAIS)と、8月18日付で三者連携協定を締結したと発表しました。
この協定を通じ、学術研究都市の産学連携機能の強化、半導体や宇宙などの共同研究・研究成果の社会実装に取り組んでいくとしています。
北九州市は今年2月に学術研究都市をバージョンアップする戦略「G-CITY戦略」を発表しており、同協定はその第一歩とのこと。
具体的には、東京科学大学副学長の大嶋洋一氏がFAISのチーフ・イノベーション・オフィサー(Chief Innovation Officer:CINO)に就任し、同大学の産学連携ノウハウを北九州市で展開。また、東京科学大学と学術研究都市双方のネットワークを活かし、半導体や宇宙などの分野で共同研究などに取り組み、研究成果の社会実装につなげていくということです。
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