• HOME
  • ニュース
  • 8/21宇宙ニュース・米SpinLaunch、衛星通信網開発で約44億円調達 ほか3件 - SPACE Media

8/21宇宙ニュース・米SpinLaunch、衛星通信網開発で約44億円調達 ほか3件

米SpinLaunch、衛星通信網開発で約44億円調達 26年後半にサービス開始予定

2025年8月18日、宇宙技術企業のSpinLaunch(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Massimiliano Ladovaz)は、低軌道衛星ブロードバンド網「Meridian Space」の開発資金として3,000万ドル(約44億円)を調達したと発表しました(SpinLaunchによる発表)。

今回の資金調達には、既存投資家のATW Partnersに加え、ノルウェーの防衛・航空宇宙企業Kongsberg Defence & Aerospaceが戦略投資家として参加しています。

同社は調達した資金を、2026年後半に予定する初回顧客向けのサービス開始に向けた開発などに充てるとしており、技術面では、同社独自の多周波数帯対応リフレクトアレイアンテナの実規模試験を完了。従来の衛星アンテナと比較して小型・省電力を実現し、設備投資の削減が可能になるとしています。

SpinLaunchは2014年創業。これまで、回転装置による打上げ技術の開発を進めてきましたが(参考記事)、LEOでの通信衛星システムの需要が増加していることを背景に、今年、衛星コンステレーション「Meridian Space」の構想を発表し、衛星通信事業に参入する方針を明らかにしていました。

資生堂、宇宙環境用スキンケアを独自設計 ISSで大西宇宙飛行士が使用

ISS内で撮影された宇宙環境用スキンケアの写真
Credit: 株式会社資生堂 プレスリリース

2025年8月19日、株式会社資生堂(東京都中央区、代表執行役 社長CEO:藤原憲太郎)は、同社が宇宙環境で使用する化粧品の展開を目指して独自設計したスキンケアが今年3月15日に国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されたことを発表しました。

同社は、水が貴重な宇宙環境をふまえ、「水に頼らない次世代スキンケア」として研究を進行。肌の表面に気体透過性をもつ薄い人工皮ふ膜を形成することで、肌から蒸散する水分を膜の内側に留め、肌本来の水分でうるおいを保つという循環型の保湿機能を実現したということです。

この人工皮ふ膜の技術は、資生堂が米ベンチャーOlivo Laboratoriesから2018年に取得した特許技術「Second Skin」を応用したもので、上述の保湿機能に加え、剥がす際に皮脂や古い角層を取り除く洗浄効果もあるとのこと。

同スキンケアは、今月10日に地球に帰還したJAXA宇宙飛行士の大西卓哉氏がISS滞在中に使用し、「水を必要としない洗浄機能は、ISS内ではありがたい機能の1つ」と感想を語っています。

英国、宇宙庁を科学技術省に統合 産業界も提言を発表

Credit: 英国政府ウェブサイト

2025年8月20日、英国政府は宇宙産業の成長促進と規制の改善を目的とした改革の一環として、2026年4月までに英国宇宙庁(UKSA)を科学技術省(DSIT)に統合すると発表しました(英国政府による発表)。

「英国宇宙庁」の名称は維持されますが、この統合によって宇宙政策の策定と実行を担う組織を一体化し、重複業務の削減と官僚組織の簡素化を図るとしています。

英国宇宙庁のポール・ベイト(Paul Bate)最高経営責任者は「単一の組織として戦略、政策、実行を一貫して担うことで、国家の宇宙目標の実現がより迅速・容易になる」とコメントしています。

また、この発表と併せて、軌道上での衛星修理やデブリ除去などを行うランデブー・近接運用(RPO)を含む宇宙ミッションの規制の改善に向け、業界側から60項目以上の提言が公表されました。

これらの宇宙ミッションは2031年までに27億ポンド(約5,300億円)規模の市場形成が見込まれており、英国企業は世界市場の4分の1のシェア獲得が期待されるということで、Astroscale UKのニック・シェイブ(Nick Shave)氏は「RPOは、寿命延長や補給からデブリ除去に至るまで、すべての軌道上サービスの基盤。適切な規制の枠組みがあれば、英国はこの変革的な分野におけるグローバル・リーダーになることができる」と述べています。

ブルーオリジン、8/23にニューシェパード35回目の打上げ 40超のペイロードを搭載

Credit: Blue Origin ウェブサイト

2025年8月19日、米宇宙企業ブルーオリジン(アメリカ・ワシントン州、以下Blue Origin)は、宇宙船「ニューシェパード」の35回目となる無人飛行ミッション「NS-35」を、現地時間の8月23日午前7時30分(日本時間 23日午後9時30分)にテキサス州の発射場から打ち上げると発表しました(Blue Originによる発表)。

今回のミッションでは40を超える科学・研究用ペイロードが搭載されるとのことで、これまでにニューシェパードで打ち上げられたペイロードの総数は200を超えることになるといいます。

今回打ち上げられるペイロードの中には、宇宙製造ソリューションに取り組むEcoatomsによる微小重力環境でのケミカルコーティング装置「A.R.E.S.」の実証や、NASA主催の「TechRise学生チャレンジ」による24の学生実験が含まれており、後者では宇宙農業や、医療ソリューション、微小重力環境での液体の挙動などが調査される予定です。

【編集部よりお知らせ】ニュースのまとめや新着記事をお知らせ!メールマガジン(不定期配信)のご登録はこちらから

あわせて読みたい

【PR】イベント企画・運営、動画の企画制作、デザイン制作、記事制作のご相談はIPP by DigitalBlast Consultingへ!
詳しくはこちら>>> https://digitalblast-c-ipp.jp/

宇宙業界の求人