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9/12宇宙ニュース・NASA、火星で古代の生命の痕跡を発見 科学誌・ネイチャーで発表 ほか3件

NASA、火星で古代の生命の痕跡を発見 科学誌・ネイチャーで発表

2024年7月に撮影されたパーサヴィアランスによる自撮り画像。パーサヴィアランスの左、画像中央付近に「チェヤヴァ滝」と名付けられた岩石が写っている
Credit: NASA / JPL-Caltech / MSSS

米国時間の2025年9月10日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、同日発行の科学誌『Nature(ネイチャー)』に掲載された論文で、同局の火星探査車「パーサヴィアランス(Perseverance)」が、岩石内に古代の生命の痕跡とみられるものを発見したと明らかにしました(NASAによる発表)。

パーサヴィアランスは2020年7月に打上げられ、翌年2月に火星の赤道付近の黒みがかったエリアである「大シルチス」にあるジェゼロ・クレーターに着陸。岩石サンプルなどを収集してきました。

NASAによると、パーサヴィアランスがジェゼロ・クレーターにある古代の川の跡で、矢じり形の岩石「チェヤヴァ滝」に斑点状の模様を発見。岩石には有機炭素、硫黄、リンなどの成分が含まれており、これらが微生物にエネルギー源として利用されていた場合、斑点は古代の微生物の痕跡だと考えられるということです。

NASAでは、結論を出すにはさらにデータが必要だとしていますが、惑星における生命の起源に迫る可能性のある重要な発見であり、今後の研究の進展が期待されます。

アストロスケール、デブリの接近・観測ミッション打上げでインド企業と契約

Credit: 株式会社アストロスケールホールディングス プレスリリース

2025年9月11日、株式会社アストロスケールホールディングス(東京都墨田区、創業者兼CEO:岡田光信)の日本子会社である株式会社アストロスケール(東京都墨田区、代表取締役社長:加藤英毅)は、大型の衛星デブリを対象に接近と観測を行う「ISSA-J1(In-situ Space Situational Awareness–Japan 1)」ミッションに関して、インド政府宇宙庁傘下のNewSpace India Limited(インド・ベンガルール、会長:M. Mohan、以下NSIL)との間で、極軌道打上げロケットPSLVによる打上げ契約を締結したと発表しました。

PSLVによる専用打上げを調達したのは、日本では同社が初めてになるということです。

「ISSA-J1」は、大型の衛星2機を対象デブリとした近傍での撮像・診断を行う衛星で、アストロスケールによると、同衛星は現在設計の最終段階。今後、衛星システムの組み立てと試験を実施し、2027年春にインド東部のサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられる予定だということです。

アストロスケール代表の加藤英毅氏は、「ISSA-J1」の打上げにNSILを選定したことについて、「10社以上の打上げ会社を、技術面、実績面、価格面等で入念に評価した結果」とコメント。ISSA-J1のミッション成功のためであることに加え、今回の契約はインド市場でのビジネス推進にも寄与するものと捉えているとしています。

サウジのNeo Space Groupが仏Display Interactiveを買収 航空会社に衛星通信接続を提供

Credit: Neo Space Group プレスリリース

2025年9月9日、サウジアラビア公共投資ファンド(PIF)傘下のNeo Space Group(サウジアラビア・リヤド、CEO:Martijn Blanken、以下NSG)は、ワイヤレス機内エンターテイメント・接続技術を手がけるDisplay Interactive(フランス・モンルージュ、CEO:Tarek El Mitwalli、以下DI)を買収する最終契約を締結したと発表しました(NSGによる発表)。

この買収により、NSGは機内Wi-Fiサービスの提供など、航空機内の通信サービス全体を一括で提供する体制を構築するとのこと。両社の技術を組み合わせることで、複数の衛星通信プロバイダー間でのデータ通信を効率的に管理できるようになり、航空会社に安定した高速接続を提供できるとしています。

今回の買収は、サウジアラビアの国家改革戦略である「ビジョン2030」に基づく、宇宙産業発展の一環として位置づけられているということです。NSGとDIは2023年から製品開発での協力を開始し、関係を深めていました。

今月4日には、米国の格安航空・JetBlueが衛星通信サービス「Project Kuiper」を機内Wi-Fiに採用したと発表されていますが(参考記事)、航空業界でも衛星通信の導入が進んでいます。

米Vardaら3社、再突入カプセルの軌道操作の追跡・報告能力の共同実証に成功

2025年9月8日、微小重力環境を利用したライフサイエンス研究・製造インフラの構築を進めるVarda Space Industries(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Will Bruey、以下Varda)とLeoLabs(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Tony Frazier)、Anduril(アメリカ・カリフォルニア州、共同創業者兼CEO:Brian Schimpf)の3社は、共同で行った再突入カプセルの軌道操作の追跡・報告能力の実証試験に成功したと発表しました(Vardaによる発表)。

Vardaは軌道上実験のサンプルを地球に戻す再突入カプセルの開発を進めており、今年3月に「W-Series 3(W-3)」を打上げ、5月に回収する試験を行っていました(参考記事)。

この試験では、同カプセルが再突入前に実施した軌道操作をLeoLabsがレーダーネットワークで追跡、取得したデータをAndurilのAI対応ソフトウェアプラットフォーム「Lattice」に統合することに成功したということです。

「Lattice」は軍民両用のプラットフォームとして陸域・海域のモニタリングやインフラ監視、山火事検知などを提供していますが、今回、再突入カプセルの追跡が実証できたことで、世界中のユーザーが軌道上の宇宙機の動きを把握することができるようになるとしています。

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