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Space Quarters、シードラウンドとして7.5億円調達 「宇宙建築ロボ」開発

2025年10月15日、株式会社Space Quarters(東京都渋谷区、代表取締役:大西正悟)は、シードラウンドとして、第三者割当増資により7.5億円の資金調達を実施したと発表しました。
Space Quartersは2022年創業の東北大学発ベンチャーで、独自開発の溶接ロボットシステムを用いて軌道上や月面で大型構造物を施工する宇宙建築システムの開発を進めています。
同社はこれまでに宇宙建築ロボットシステムの設計と要素技術の地上での概念実証(PoC)を完了しており、2027年、2028年に宇宙での溶接接合実証、組立実証実施を控えているということです。
今回調達した資金は開発チームの強化、試験設備の導入・改修、宇宙実証に充てられることが想定されており、正式なサービスローンチに向けた開発を加速させるとしています。
なお、今回の調達ではFrontier Innovations株式会社をリード投資家として、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ、グローバル・ブレイン株式会社が運営する東急建設-GBイノベーション投資事業有限責任組合、XTech Ventures株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社が引受先となっています。
小糸製作所、「ルナクルーザー」の照明開発でトヨタと共同研究開始

Credit:株式会社小糸製作所 プレスリリース
2025年10月15日、株式会社小糸製作所(東京都品川区、社長:加藤充明)は、トヨタ自動車株式会社(愛知県豊田市、代表取締役社長:佐藤恒治、以下トヨタ)と有人与圧ローバー(愛称:ルナクルーザー)の船外照明の技術開発に関して契約を締結し、研究開発に協力すると発表しました。
ルナクルーザーは、トヨタと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が研究開発を進める有人月面探査車。小糸製作所は、自動車用ヘッドランプにおいて国内・グローバルともにシェア第1位の企業です。
月では約14日ごとに昼夜が入れ替わるため、長期間続く夜間の探査活動には照明が必須となります。また、昼夜の寒暖差が激しいことや月面の細かい砂「レゴリス」が機器類に影響を与えることも考慮する必要があり、これらを重点開発取り組みとするということです。
なお、トヨタは先月ルナクルーザーの開発にあたり産業用制御・計測システム大手の横河電機とも研究開発契約を結んでおり(参考記事)、研究開発が加速している様子がうかがえます。
アークエッジ・スペースの超小型衛星、ミッションのフルサクセス達成

Credit: 株式会社アークエッジ・スペース プレスリリース
2025年10月15日、株式会社アークエッジ・スペース(東京都江東区、代表取締役 CEO:福代孝良)は、今年6月に打ち上げられた6U級自社開発の超小型衛星「AE2a」について、設定したサクセスクライテリアをすべて達成したと発表しました。
AE2aは、同社が開発した6U衛星汎用バスの「リモートセンシングモデル」を使用しており、①ハイパースペクトルカメラの軌道上実証、②バス機能の安定評価、③通信系の実証をミッションとして実施しました。
その結果、①については撮像運用の確立および画像データのダウンリンク手順を確立、②については姿勢制御、電力・熱・通信などの基本機能が設計どおり動作、③についてはLoRaを活用したIoTテキスト/センサーデータ交換を所定条件の範囲で実施、がそれぞれ達成できたとのことです。
今回の結果を受け、同社では今後も国内外の政府機関、研究機関、民間企業の多様なニーズに応じたホステッドペイロードサービスを提供していくとしています。
UAEのSpace42、地理空間情報プラットフォーム「GIQ」をリリース
2025年10月13日、アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするAI宇宙技術企業Space42(アラブ首長国連邦、会長:H.E. Mansoor Al Mansoori)は、地理空間情報プラットフォーム「GIQ」がMicrosoft Azure Marketplaceで利用可能になったと発表しました(Space42による発表)。
同プラットフォームはUAE宇宙庁との協力により開発され、10社以上の事業者が提供する衛星データと、8つ以上のAIモデルを組み合わせることで災害対応や都市計画、食料安全保障といった実世界の課題に対応できるものだということです。
既存のAzureユーザーであれば同プラットフォームが利用できるということで、同社は研究者や企業などがより容易に衛星画像にアクセスし、分析に活用できるとしています。
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