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12/26宇宙ニュース・クロアチアの宇宙企業、相乗り型宇宙実験サービスを開始 1サンプル約110万円から ほか3件

クロアチアの宇宙企業、相乗り型宇宙実験サービスを開始 1サンプル約110万円から

Credit: Genesis Space Flight Laboratories プレスリリース

2025年12月23日、クロアチアの宇宙開発企業、Genesis Space Flight Laboratories(クロアチア・チャコヴェツ、創業者CEO:Bence Mátyás、以下Genesis Space)は、微小重力環境で実験を行い、サンプルを回収することができる、ライドシェア(相乗り)型の宇宙実験サービスを開始したと発表しました(Genesis Spaceによる発表)。

同サービスでは、与圧モジュールを備えた宇宙機「GEN」を使用し、直径4ミリメートル、高さ2ミリメートルの容器内に収まるサンプルに対応するということです。

1サンプルあたりの価格は、軌道上での観察や通信などを行わない場合は6,000ユーロ(約110万円)から、軌道上での観察やデータ取得、通信などを行う場合は12,000ユーロ(約220万円)からで、2026年第1四半期に弾道飛行による短時間の微小重力ミッションを、同年第二四半期に太陽同期軌道での6〜9カ月のミッションを行う予定で、それ以降もミッションを実施するとしています。

アストロスケールの英国子会社、ESAの調査案件を受注 軌道上サービスの領域を拡大

2025年12月24日、株式会社アストロスケールホールディングス(東京都、代表取締役社長兼CEO:岡田光信)は、同社の英国子会社Astroscale Ltd(以下ASUK)が、欧州宇宙機関(ESA)から、軌道上改修・アップグレードサービス(In-Orbit Refurbishment and Upgrading Service:IRUS)に関する調査案件を受注したと発表しました。

受注額は399,000ユーロ(約7,300万円)で、契約期間は8カ月。この案件は、ASUKが今年3月にBAE Systemsと受注した調査の後続となるとのことです。

同社グループではこれまでデブリ除去や燃料補給・軌道制御、観測・点検といったサービスの受注実績がありますが、今回のIRUSに関する受注は、衛星の寿命延長に寄与する新たなサービス領域での取り組みになるとしています。

スウェーデン宇宙公社、NASAの次世代通信技術実証に参画

Credit: SSC ウェブサイト

2025年12月23日、スウェーデン宇宙公社(スウェーデン・ソルナ、社長兼CEO:Charlotta Sund、以下SSC)は、アメリカ航空宇宙局(NASA)が進める次世代宇宙通信技術の実証実験への参加を発表しました(SSCによる発表)。

この実証は、1つの通信端末で政府系および民間の複数の通信ネットワークや周波数をまたいで通信できる「PExT(Polylingual Experimental Terminal)」と呼ばれる技術を試験するもの。PExTは、NASAの追跡・データ中継衛星(TDRS)システムと複数の商用通信ネットワークを行き来しながら通信できる技術です。

SSCは、ドイツ航空宇宙センター(DLR)が所有するパートナー地上局を通じて、宇宙と地上の間の通信を支援するということです。

このミッションは7月23日に打ち上げられ、最近、試験期間が12カ月延長されました。延長期間中、SSCは地球低軌道(LEO)における地球直接通信の実証を含む50回以上の通信パスをサポートする予定だとしています。

NASAは、政府主導で運用してきたTDRS衛星群を2031年までに段階的に退役させ、地球近傍の宇宙通信サービスを民間主体に移行する方針を掲げており、今回の実証はその取り組みを技術面から支えるものと位置づけられています。

なお、SSCは2026年から社名を「SSC Space」に変更することを発表しています。

JAXAら提案の月探査装置、アルテミスIVミッション搭載機器に選定

月南極域地震観測・探査ステーション(SPSS)イメージ図
Credit: JAXA ウェブサイト

2025年12月23日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際的な月探査計画「アルテミス計画」の2回目の有人月面着陸ミッションである「アルテミスⅣ」にて、宇宙飛行士が月南極域で展開する搭載機器2つのうちの一つに、NASAジェット推進研究所(JPL)主導の下、JAXA/宇宙科学研究所(ISAS)、東京大学、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、パリ地球物理研究所(IPGP)を含むチームが提案した装置が選定されたと発表しました。

選定されたのは、地震観測・地下探査装置「月南極域地震観測・探査ステーション(South Pole Seismic Station:SPSS)」で、月でのリアルタイムの地震の状況と、それが宇宙飛行士の活動に及ぼす影響のモニタリングのほか、月の深部構造の解析に役立てられるということです。

地震計はCNESおよびIPGPが開発・提供し、日本は月着陸機付近の浅部地下構造を精密探査するための小型震源装置(Portable Active Seismic Source:PASS)を提供するということで、JAXAは、東京大学と連携しPASSの開発を進めるとしています。

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