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日米両政府「宇宙協力枠組み協定」に署名

日本も参加する米国主導の有人月探査「アルテミス計画」などで日米が連携する機会の増加が見込まれるなか、日米両政府は2023年1月13日(日本時間14日)、宇宙開発での連携を進める上で必要な確認事項が盛り込まれた「日米宇宙協力枠組み協定」を締結しました。日米両政府間ではこれまで、個別の案件ごとに協定を結び詳細を取り決めていましたが、今回の協定締結により、その都度の協議が不要となることで連携が加速すると見込まれています。

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2023年1月13日金曜日、合意に署名した後、米国のアントニー・ブリンケン国務長官(前列左)と日本の林義正外務大臣(前列右)が握手を交わしている。
握手するアントニー・ブリンケン米国務長官 (前列左) と林芳正外務大臣 (前列右)
Credit:NASA/Aubrey Gemignani

米航空宇宙局(NASA)によると、「宇宙協力枠組み協定」は宇宙空間での探査や輸送、科学研究など両国間の幅広い共同活動を対象としており、事故があった場合に互いに損害賠償を求めないことや、宇宙開発に必要な物資の輸出入を非課税とすることなどが盛り込まれているということです。新たな協定により「アルテミス計画」での日米の連携を加速させるほか、中国の活発な軍事開発に対し、安全保障面の連携を深める狙いがあります。

本協定には、NASA長官のビル・ネルソン氏、JAXAの星出彰彦宇宙飛行士及びNASAのアン・マクレーン宇宙飛行士などが出席し、米国のアントニー J. ブリンケン国務長官と日本の林芳正外務大臣は、それぞれ国を代表して協定に署名しました。

同席した岸田総理は「日米の宇宙協力は新たな時代に突入した。これまでになく強固な日米同盟の協力分野が一層広がることを強く期待する」とコメント。また、林外務大臣は「人類の未来のためにも、今後本協定の下で日米の宇宙協力が更に深まることを切に望んでいる」と述べました。

ブリケン国務長官は「日本人宇宙飛行士の月面到達に関する野心をわれわれは共有している。本協定は日米の協力関係を新たな高みへと引き上げるだろう」と強調し、関係深化に前向きな姿勢を示しました。

今回の署名を受け、今後日米双方で締結に向けた国内手続が行われるということです。

宇宙協力枠組み協定に署名し、拍手を送る様子
Credit:NASA/Aubrey Gemignani