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JAXAの新しい宇宙飛行士候補、諏訪理さん(46)と米田あゆさん(28)が選抜

2023年2月28日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2022年4月より実施していた宇宙飛行士候補者の選抜について、第三次選抜に通過した諏訪誠(すわまこと)さん、米田あゆ(よねだあゆ)さんの2名が宇宙飛行士候補者として決定したと発表しました。今後、約2年間にわたる基礎訓練を実施し、それらの訓練結果の評価をもとに正式にJAXAの宇宙飛行士として認定されるということです。候補者2名は月周回に建設する新たな宇宙基地への滞在や日本人初となる月面着陸などが期待されています。

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Credit: JAXA

14年ぶりとなる宇宙飛行士の誕生

JAXAによる今回の宇宙飛行士選抜は2009年以来の14年ぶりで6回目。JAXAはこれまでの宇宙飛行士選抜試験の応募資格を大幅に変更し、自然科学系の4年制大学の卒業以上とする学歴要件ならびに、自然科学系分野における3年以上の実務経験についての条件を撤廃しました。また、宇宙船の改良や新規開発により、宇宙船搭乗者の身長および体重の制限も緩和。訓練中に習得可能な泳力や自動車運転免許などの条件も応募資格から除外したことで、より多くの志願者に門戸が開かれました。これにより、2022年~2023年の宇宙飛行士選抜試験に応募した志願者は過去最多の4127名。前年の4倍以上となる応募者が選抜試験に挑みました。

そして、今回候補者として選ばれた諏訪さんと米田さんは、2023年4月から1年かけて実施されていた選抜試験で、約2000倍にもなる倍率を見事くぐり抜けました。

史上最年長で合格を手にした諏訪誠さん

諏訪さんは東京都出身の46歳。現在は、ワシントンDCにある世界銀行でアフリカの上級防災専門官として活動しています。

諏訪さんは、同日行われた記者会見で「24時間前に合格の連絡をもらい驚いたと同時に、大きな責任を負うことになったんだという感覚を持った。今後は次の世代に夢や希望を与えられるような宇宙飛行士になりたい」と語りました。

諏訪さんはこれまでに選抜された宇宙飛行士候補者の中で、史上最年長での合格となりました。

現役最年少の米田あゆさん

米田さんは東京都出身の28歳。現在は東京にある日本赤十字社医療センターならびに虎ノ門病院で医師として勤務しています。

米田さんは、記者会見で「宇宙飛行士候補者として選んでいただいたということに対し、責任感と使命を感じ身が引き締まる思い。今後は、人々が宇宙を身近に感じられるきっかけを作れる宇宙飛行士になりたい」と笑顔を見せながら語りました。

女性が宇宙飛行士候補者として選ばれたのは向井千秋さん、山崎直子さんに続く3人目。また、若田光一さんや山崎さんと並ぶ最年少タイでの選抜となりました。

これまでの各次選抜試験について

選抜は書類選考に始まり、英語や一般教養、STEM分野の試験(国家公務員採用総合職試験)、小論文などによる第0次選抜から最終段階の第三次選抜まで、計5段階で構成。

最終関門である第三次選抜では、医学検査や英語面接のほか、長期滞在適正検査や泳力検査など、宇宙飛行士に求められる能力や資質を確認するためのテストが実施されました。第二次選抜に合格していた10名(うち女性2名)からさらに絞り込まれ、諏訪さんと米田さんの2名が合格を勝ち取りました。

宇宙飛行士候補者 これまでの各自選抜合格者の年代別内訳
Credit: JAXA

候補者に選ばれた2名の今後の予定

宇宙飛行士候補者の諏訪さんと米田さんは今後、基礎訓練を通じて必要となる科学・技術の知識、国際宇宙ステーション(ISS)/「きぼう」システムや国際宇宙探査における知識や技量を修得する訓練が行われます。

その後、JAXA宇宙飛行士に認定されISS搭乗が決定すれば、ISSでの活動をはじめ、月周回有人拠点「ゲートウェイ」や月面活動などの様々なミッションへの参加が予定されています。