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SpaceLINK2023会場レポート 宇宙ビジネスの多彩な企業が出展【後編】

会場内のサイドステージでは、出展各社・団体によるプレゼンテーションも行われた

2023年9月13日(水)、東京ドームホテル(東京都文京区)で開催された総合宇宙イベント「SpaceLINK2023」の会場を彩った、宇宙ビジネスに取り組む企業・団体。

後編となる本記事では、4企業・団体の展示内容を紹介する(過去の記事はこちら:前編 中編)。

株式会社パスコ

航空測量事業のパイオニアとして70年にわたり事業を展開しているパスコ。
現在では、航空測量に加え、人工衛星データの提供や分析、ドローンでの測量など、さまざまな先進技術を用いて地球上のさまざまなものを測ることに貢献してきた。

特に近年、世界的に気象災害が相次いでいるが、こうした災害時に被害状況を迅速に、かつ広範囲に確認できるという点で、航空機による撮影や、人工衛星による画像も役立てられている。

同社では、人工衛星によって撮影された全世界の地形データの販売や、人工衛星画像を用いたAI抽出技術の開発なども行っており、宇宙から得られるデータを地上で活かせるようにするサービスも提供している。

同社によると、衛星画像の活用に関して、インフラ関連や安全保障関連のニーズは従来からあったものの、最近では農業での活用や、自治体での活用といった引き合いも増えてきたという。
今回のSpaceLINK2023の展示でも、「衛星データを使って何かできないか?」という相談ブースで寄せられたそうだ。

徐々に広がりつつある衛星データ活用で、パスコの活躍の場もますます広がりそうだ。

株式会社パスコ ホームページ
https://www.pasco.co.jp/

コーンズ テクノロジー株式会社

技術専門商社としてエレクトロニクス関連機器や産業機材関連機器などの販売・マーケティング・技術支援を行うコーンズ テクノロジー。

同社が扱う技術分野は通信RF分野、イメージング・IRなどの各種センサー分野をはじめとして、各種分析装置、産業用パッケージング技術、さらにダイヤ成膜技術に及んでおり、これらの技術は各種無線通信システム、オートモーティブ、航空宇宙、防衛セキュリティー、エンターテインメント、先端エレクトロニクス技術開発など幅広い領域で使用されている。

先端技術がかかわる多くの領域で専門的な機器・装置などを扱う同社だが、SpaceLINK2023の展示では、航空宇宙産業向けの通信・制御システムや電子部品、ソフトウェアソリューションを提供するメーカー・Safran Data Systems社の製品を紹介した。

同社によると、人工衛星の増加に伴って、宇宙からのデータを受けるための地上側のアンテナのニーズも順調に伸びているそうだ。
衛星通信などがいっそう身近になりつつある今、同社が扱う技術・製品が活躍する余地はさらに広がっていくだろう。

コーンズ テクノロジー株式会社 ホームページ
https://cornestech.co.jp/

INAMI Space Laboratory株式会社

INAMI Space Laboratory 株式会社 代表取締役の稲波紀明氏

2022年の設立ながら、宇宙参入支援や人工衛星打ち上げサポート、宇宙旅行者向けサロン運営など多彩な事業を手がけるINAMI Space Laboratory。

代表の稲波氏は、2005年にアメリカ宇宙企業ヴァージン・ギャラクティック社が民間宇宙旅行者の募集を行った際に20万ドル支払って世界最初の宇宙旅行者100人(ファウンダー)に選出。2009年に無重力訓練を修了し、2022年に同社を設立した。

今後の宇宙ビジネス拡大に向けては、「まずマーケットを広げることが重要」と語る稲波氏。
最近では、長野県で老舗うなぎ料理店を営む有限会社観光荘による『スペースうなぎ(うなぎ蒲焼)』の開発プロジェクト『UNA Galaxy Project』を支援。一風変わったアプローチだが、これも宇宙を楽しく、身近に感じることで宇宙に関心をもってかかわる人を増やすことにつながる取り組みと言えるだろう。

このほかにも同社では「宇宙×医療」や「宇宙×地方創生」、「宇宙×教育」といったさまざまな切り口をもっている。
同社の今後の発信にも注目が集まりそうだ。

INAMI Space Laboratory株式会社 ホームページ
https://isl-rocket.com/

大阪公立大学 シリコンフォトニクス研究室

シリコンを用いた微小光装置の研究、およびフォトニック結晶と呼ばれる光を強く閉じ込めることができる技術を利用して高Q値ナノ共振器、シリコンラマンレーザー、静電気センサを開発している大阪公立大学 シリコンフォトニクス研究室(髙橋和 准教授)。

同研究室がSpaceLINK2023で展示を行ったのは、帯電を検知する静電気センサ。
宇宙では、静電気の存在は機器の故障などにつながる危険因子の一つと言われる。一方で、静電気を検知するための多くの機器は振動により静電気を検知するが、振動で対象が壊れてしまう恐れもある。今回展示された機器は、光センサで帯電を検知、振動を用いない点が特徴だ。
イベント中にサイドステージで行われた髙橋准教授のプレゼンテーションにも多くの人が集まり、この技術への関心の高さが感じられた。

大阪公立大学 シリコンフォトニクス研究室が開発した静電気センサ

また、ブースでは同時に出展した学生団体・大阪公立大学 小型宇宙機システム研究センター(SSSRC)の学生が製作した人工衛星とロケットも展示された。
次世代の日本の宇宙開発を担う若者が集まる、活気にあふれたブースとなった。

SSSRCの活動で製作された人工衛星

大阪公立大学 シリコンフォトニクス研究室 ホームページ
https://www.omu.ac.jp/eng/nanoq/

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