シリーズAの調達を完了、累計調達額は17.54億円
2023年8月10日、有翼式再使用型ロケット(以下、サブオービタルスペースプレーン)の研究・開発を行う東京理科大学発ベンチャーの株式会社SPACE WALKER(東京都港区、代表取締役CEO:眞鍋顕秀)は、リアライズグループをリードインベスターとして、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、JALグループの株式会社JALUX等を引受先とするシリーズA(プレシリーズA含む)ラウンドを実施し、7.13億円の資金調達を完了したことを発表した。
これにより、同社の現在までの累計資金調達金額は17.54億円となった。
スペースウォーカーは、誰もが飛行機に乗るように自由に地球と宇宙を往き来する未来を目指し、持続可能な宇宙輸送手段を提供するために、サブオービタルスペースプレーンの研究・開発を進めている。
また、宇宙開発における軽量化の技術を転用し、地球の脱炭素化(カーボンニュートラル)に資する次世代複合材タンクの開発・製造・販売も手がけている。
これまでに、2022年12月にリアライズコーポレーションと資本業務提携、2023年4月にJALUXとの資本業務提携を行ったほか、民間ロケット開発企業として初めて、JAXAからの資金調達も行っている。
有翼式再使用型ロケットの実現に向け前進
今回の調達資金は、サブオービタルスペースプレーンの技術実証、商用機開発、複合材事業の拡大、これらに伴う人員強化、広告宣伝費等の運転資金に充て、さらなる事業拡大を目指し、日本国が世界に誇る革新的将来宇宙輸送システムの実現に向けて加速化するための資金とされるという。
代表取締役CEOの眞鍋顕秀氏はシリーズA調達完了を受けて、「本ラウンドは、リードインベスターとしてリアライズグループを迎え、民間ロケット開発企業に対するJAXAからの初となる直接出資やJALグループのJALUX様をはじめ多くの皆様に支えられ、無事にシリーズAをクローズすることができました。今年度に入り政府からの民間ロケット開発企業に対する大きな資金支援策が打ち出され、宇宙輸送システム開発の歴史に残る大きな転換点を迎えていることを感じております。次世代により良い社会を繋ぐため、今後も多くの皆様にご賛同頂き、持続可能な宇宙輸送システムの実現に向けて大きく加速させていきたいと思っております」とコメントしている。
衛星コンステレーションのニーズ増大等による宇宙輸送の拡大が望まれているが、その延長として有人宇宙輸送手段の開発も今後より求められるようになると思われる。
日本国内の宇宙輸送体制の強化も重要であり、スペースウォーカーの今後の動きが注目される。