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東京海上日動とJAXA、「宇宙リスクソリューション事業」に関する共創活動を開始

Credit: JAXA/ 東京海上日動

2023年11月10日、東京海上日動火災保険株式会社(東京都千代田、取締役社長 広瀬伸一)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の枠組みの下、「宇宙リスクソリューション事業」に関する共創活動を開始したと発表した。

「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC:JAXA Space Innovation through Partnership and Co-creation)」は、民間事業者等とJAXAの間でパートナーシップを結び、共同で新たな発想の宇宙関連事業創出を目指す研究開発プログラム。

事業化意思のある民間企業やアントレプレナー、技術シーズを持つ大学、研究機関などを想定パートナーとして、民間事業者等とJAXAが人的リソースや資金を持ち寄り、企画段階から早いサイクルで事業コンセプト等を共創することで、早期の事業化、またはJAXAにおけるプロジェクト化を目指す。

これまでに、事業化や新しい技術の獲得を目指したプロジェクトとして、東海クラリオン株式会社と株式会社アジア・テクノロジー・インダストリーの共創による「後のせ自動運転システム事業『YADOCAR-iドライブ』」や、インターステラテクノロジズ株式会社との共創による「小型ロケットによる輸送サービス事業」など、大手企業からベンチャーまでさまざまな企業が取り組みを進めている。

J-SPARC公式サイト
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/

今回発表された東京海上日動との共創では、東京海上日動がもつ宇宙保険分野での実績・ノウハウと、JAXAがもつ宇宙ミッションにおける技術的なリスクマネジメントのノウハウを組み合わせ、民間商業ステーション事業を第一段階のターゲットとして、宇宙産業に新規参入を検討する企業の後押しや、事業継続を支える新たな「宇宙リスクソリューション事業」を共創する。

東京海上日動は、これまでもグループのデータ中核機能を担う東京海上ディーアール株式会社と連携し、これまでロケット打ち上げ事業者や衛星メーカー等向けの保険提案・リスクコンサルティングサービスを提供してきた。

今後はこの共創活動を通じて民間商業ステーション事業やスペースデブリ等周辺の宇宙環境に関するリスク評価手法の確立を目指し、新規参入の事業者が保険契約を締結しやすい環境を整え、ミッション成功率の向上を支援していくとしている。

具体的には、同共創活動の成果を利用して東京海上日動が2024年度以降、段階的に下記のようなサービスの提供を開始する予定。

  1. 民間商業ステーションの運用に関するリスクの定量評価
  2. 上記に関するリスク低減コンサルティング、保険商品・付帯サービスの提供
  3. 宇宙スタートアップに対する包括的なリスクマネジメント手法の提供

2040年には150兆円にも拡大するという宇宙ビジネス市場は、2030年のISS(国際宇宙ステーション)の退役を見据えた民間宇宙ステーション構築や、人工衛星データを活用したビジネスの増加などで注目が集まる一方、リスクの可視化や定量化が難しい領域も多く存在する。

今回の取り組みを通じて、宇宙ビジネス参入を促進する新たなソリューションが生まれることを期待したい。

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