2024年4月15日、小型ロケット「ZERO」の開発などを手がけるインターステラテクノロジズ株式会社(北海道広尾郡⼤樹町、代表取締役社⻑ 稲川貴⼤)は、小型人工衛星の物流サービスを手がけるイタリアのベンチャー企業D-Orbit S.p.A(Fino Mornasco Como Italy、CEO Luca Rossettini)と、ロケット打上げサービス提供に関する包括契約を締結したと発表した。
D-Orbitは2011年設立。これまで15回の軌道上ミッションを成功させ、累計140機以上の衛星の軌道投入実績を有している。複数の小型衛星を搭載できる「ION」を自社開発・製造し、衛星を事業者が希望する軌道に正確に投入する「衛星のラストマイルデリバリーサービス」、軌道上実証機会を提供する「ホスティングペイロードサービス」を展開している。
D-Orbitとインターステラテクノロジズはともに丸紅株式会社の出資を受けており、3社は2020年2月に小型衛星放出システムの研究・開発を行う協業意向書を締結している。
今回の包括契約では打上げサービスだけでなく、将来にわたってビジネス連携を深めることも明記されており、衛星の「ラストワンマイル」事業に取り組むD-Orbit社と、ロケット打上げ事業を提供するインターステラテクノロジズが相互に協力することで、より低価格で柔軟な宇宙輸送サービスを構築していきたいとしている。
近年、日本では脱炭素などに対応するためのカーボンクレジット創出や、洪水等の気象災害の被害把握のために小型人工衛星のデータを活用する流れがあり、東南アジアなどでもそうした実証が広がっている。
今後、アジア圏での衛星打ち上げ・活用ニーズは増えていくものと思われ、今回の両社の協力が小型人工衛星の活用を身近なものにすることで、こうした動きを後押しすることになりそうだ。