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4/16宇宙ニュース・田中貴金属グループ、金ナノ粒子活用し宇宙でのタンパク質結晶発生率を向上 ほか3件

田中貴金属グループ、金ナノ粒子活用し宇宙でのタンパク質結晶発生率を向上 来週打上げの機器で実証

開発された実験ユニット内にあるガラスキャピラリーの写真(a)、ガラスキャピラリーの模式図(b)、ガラスキャピラリー内壁の電子顕微鏡画像(c)
Credit: 株式会社田中貴金属グループ プレスリリース

2025年4月16日、株式会社田中貴金属グループ(東京都中央区、代表取締役:田中浩一朗)の社内イノベーション組織である「TANAKA未来研究所」は、「Auのナノ構造形成技術を応用した宇宙空間分子結晶化実験ユニット」を開発したとしました。

貴金属取扱量では国内ではトップクラスの実績をもつ同社では、持続可能な社会や超長期の企業経営を目指す取り組みの一環として、TANAKA未来研究所で研究開発を行っており、今回開発された技術はナノレベルまで粒子化したAu(金元素)表面で特定の波長の光を吸収する現象「プラズモン共鳴」を活用したもの。

Auナノ粒子の表面にはタンパク質分子が吸着しやすく、また、Auナノ粒子間では可視光域内の波長でプラズモン共鳴を起こすため、タンパク質の結晶化が促進されるといいます。

重力による対流や沈降の影響を受けない宇宙の微小重力環境では、地上よりも質の高いタンパク質結晶ができることが知られていますが、結晶の発生率が低く、実験コストが高い点が課題となっていました。

同社では開発した技術を搭載した実験ユニットを来週4月21日(現地時間)にアメリカのケネディ宇宙センターから打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)で実証を行う予定です。

ElevationSpaceと豊田自動織機、大気圏再突入システム用耐熱材料の共同開発を開始

衛星本体から回収カプセルが分離した瞬間のイメージ
Credit: 株式会社ElevationSpace プレスリリース

2025年4月16日、株式会社ElevationSpace(宮城県仙台市、代表取締役CEO:小林凌平)と株式会社豊田自動織機(愛知県刈谷市、取締役社長:伊藤浩一)は、宇宙空間の実証機が地球に帰還する際の大気圏再突入システムに用いる耐熱材料の共同開発を開始すると発表しました。

ElevationSpaceは、宇宙空間で研究開発した物資を地球に持ち帰るための大気圏再突入・回収技術の開発を進めており、この共同開発を通じて豊田自動織機が有する炭素繊維の3次元織物技術を活用し、大気圏再突入時の高温環境にも耐えられる軽量・低損耗・低コストの耐熱材料を開発するとしています。

3次元織物技術は設計の自由度が高いことが特徴。軽量化によるロケット打ち上げコスト全体の低減や、低損耗化による地球帰還時の落下地点の予測精度向上なども期待されるとのことです。

将来宇宙輸送システム、「ASCA hopperミッション」で液体メタンエンジンの燃焼試験に成功

Credit: 将来宇宙輸送システム株式会社 プレスリリース

2025年4月16日、将来宇宙輸送システム株式会社(東京都中央区、代表取締役:畑田康二郎、参考記事)は、同社が開発する再利用可能な宇宙往還機「ASCAプロジェクト」の初試験としてエンジン燃焼実験を実施し、成功したと発表しました。

今回の試験は「ロケットエンジンの燃焼」「機体の離着陸」「再使用に必要な点検整備」3要素の確認が目的。試験で使用したのは推進剤に液体メタン、酸化剤に液体酸素を用いる液体燃料ロケットエンジンで、2024年9月の試験では着火に至らず、性能確認に必要なデータを取得できなかったものの、原因究明と対策を講じたうえで今年3月に行われた試験では、着火可能な条件の確認や、8.3秒の燃焼時間、4.3キロニュートンの推力を達成できたとしています。

今回の結果を受け、同社は小型衛星打上げ機「ASCA 1」や有人宇宙輸送機「ASCA 2」に向けた再使用型ロケット開発能力の向上を目指すとしています。

英宇宙ベンチャー、イタリア宇宙機関から月周回科学衛星コンステレーションの契約を受注

2025年4月9日、ブルー・スカイズ・スペース(イギリス・ロンドン、CEO兼共同創業者:Marcell Tessenyi、以下Blue Skies Space)は、イタリア宇宙機関(Agenzia Spaziale Italiana:ASI)から、月周回軌道上における科学衛星コンステレーションの開発プロジェクト「RadioLuna」に関する資金提供契約を受注したと発表しました(Blue Skies Space社による発表)。

RadioLunaは、月周回軌道上に衛星コンステレーションを構築し、宇宙誕生初期に由来する微弱な電波信号の検出を目指すプロジェクト。

同プロジェクトには、Blue Skies Space社のイタリア子会社に加え、欧州の航空宇宙大手OHB社のイタリア子会社もパートナーとして協力するとのこと。Blue Skies Space社は、このプロジェクトを通じて市販のコンポーネントを搭載したキューブサットの月周回軌道での運用の実現可能性を確立するとしています。

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