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ElevationSpace、地球へ帰還するカプセルの高度1.8kmからの回収試験に成功

高度1.8kmからカプセルを投下した瞬間
Credit: 株式会社ElevationSpace プレスリリース

2024年9月18日、株式会社ElevationSpace(宮城県仙台市、代表取締役CEO 小林稜平)は、宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」の初号機「あおば」の回収カプセルについて、福島県南相馬市沖の海域で「大気圏再突入カプセルの高空落下試験」を実施し、これに成功したと発表した。

同社は宇宙の無重力環境を生かした実験や実証を無人の小型衛星で行った後、それを地球に帰還させ顧客に引き渡すサービス「ELS-R」の実現に向けた取り組みを進めており、これまでにも宇宙から物品を帰還させる回収カプセルのパラシュート格納サイドパネル展開試験や着水衝撃試験、分離衝撃試験などを行ってきた。

今回行われた「大気圏再突入カプセルの高空落下試験」は、大気圏再突入カプセルの回収プロセスを確認するための試験技術を構築し、下記の1〜3の項目が正常に動作するかを確認することが目的。

  1. 降下中にパラシュートを放出し、パラシュートによる減速を行うこと
  2. カプセル飛行中・着水時の飛行環境データを取得すること
  3. 着水後にフローテーションバッグなど洋上回収に必要な装備が機能し、CPMが回収されること

試験は2024年9月12~13日にかけて、地元自治体・企業からのバックアップも得ながら、福島県南相馬市沖の海域で行われた。
試験の結果、①は達成できなかったものの、②の一部、また③について正常に動作することを確認したという。

着水したカプセルおよび展開機構を回収する様子
Credit: 株式会社ElevationSpace プレスリリース

無人で宇宙実験を行い、その成果物を無事地球に帰還させる仕組みを確立することは同社のサービス実現にとって必須のステップとなる。

今回の試験では、カプセルの一部の機能が期待通りに機能しないなどの技術的な課題が発生しており、ElevationSpaceでは今後、原因を究明して課題部分を修正し、次回試験にてすべての技術検証を完了し打ち上げに臨むとしている。

「ELS-R」の初号機(愛称:あおば)は、2025年の打ち上げが予定されている(参考記事)。今後の開発の推移にも注目したい。

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