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7/14宇宙ニュース・米Varda、約275億円を調達 創薬研究施設の建設も ほか3件

米Varda、約275億円を調達 微小重力を利用した創薬研究施設の建設も

Credit: Varda Space Industries プレスリリース

2025年7月10日、微小重力環境を利用したライフサイエンス研究・製造インフラの構築を進めるVarda Space Industries(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Will Bruey、以下Varda)は、シリーズCとして1億8,700万ドル(約275億円)の資金調達を実施したと発表しました(Vardaによる発表)。

Vardaは軌道上で材料処理を行う環境の構築を進めており、微小重力の環境下では、医薬品成分などが地上とは異なる結晶構造をとるため、新規の医薬品が作り出せるとしています。

同社によると、これまでの調達総額は3億2,900万ドル(約485億円)。CEOのWill Bruey氏は、今回調達した資金は、飛行頻度の増加と、微小重力を利用した創薬を提供する、世界初の製薬研究施設の建設に充てられるとしています。

同社は6月に軌道上で実験等を行ったカプセルを再突入させて回収する4回目のミッションを行っており(参考記事)、5回目のミッションも年内に行われる予定だとしています。

JAXAベンチャーのロケットリンクテクノロジー、総額6億円を調達

2025年7月11日、株式会社ロケットリンクテクノロジー(神奈川県相模原市、代表取締役:森田泰弘)は、シリーズBの資金調達として総額6億円の資金調達を実施したと発表しました。

これにより、シリーズA、Bの総額で7億5,000万円の資金調達が完了したとのことです。

今回の調達はインキュベイトファンド株式会社、DIMENSION株式会社、住商ベンチャー・パートナーズ株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、宇宙フロンティア2号投資事業有限責任組合(GP:スパークス・アセット・マネジメント株式会社)の5社を引受先とする第三者割当増資によるもの。

ロケットリンクテクノロジーは小型衛星用ロケットの開発を進めており、低融点熱可塑性推進薬(LTP)という、可塑性があり小規模連続生産・保管が可能な推進薬の生産技術を有しています。

この調達資金により、2026年度打上げ予定の弾道飛行実証機(LTP-310)の計画が大幅に前進するとしています。

RESTEC、衛星データを用いた上水道管の漏水調査サービス「mizuiro」提供開始

Credit: RESTEC YouTube

2025年7月14日、一般財団法人リモート・センシング技術センター(東京都港区、理事長:池田要、以下RESTEC)は、人工衛星データとAI、GIS技術を用いて上水道の漏水の可能性があるエリアをマッピングするサービス「mizuiro」の提供を開始したと発表しました。

同サービスは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星「だいち2号」「だいち4号」のデータを用いて、湿潤な日本の土壌を考慮したAI解析による結果を提供し、地域に特化した推定モデルに対応。10メートル×10メートルメッシュの高解像度でマッピングし、漏水の可能性があるエリアを絞り込むということです。

水道の漏水リスクを、衛星データ等を用いて診断するサービスはJAXAベンチャーの天地人も取り組んでいますが(参考記事)、衛星データを活用したインフラ関連サービスが活発化していることがうかがえます。

米Axiom Spaceとスポーツブランドのオークリー、月面探査に向けた次世代バイザーシステムを発表

Credit: オークリー プレスリリース

2025年7月14日、スポーツアパレルブランドのオークリー(アメリカ・カリフォルニア州、以下Oakley)は、アメリカの宇宙企業・アクシオム・スペース(アメリカ・カリフォルニア州、CEO:Tejpaul Bhatia、以下Axiom Space)と、Axiom Spaceの次世代宇宙服「AxEMU(Axiom Extravehicular Mobility Unit)」のバイザーシステムに関するパートナーシップを正式に発表しました。

このコラボレーションを通じ、アメリカ航空宇宙局(NASA)のアルテミスⅢミッションの一環として月面に向かう宇宙飛行士に、月の南極探査に必要な最先端の安全性と明瞭な視界を提供する技術を届けるということです。

Axiom Space宇宙飛行士兼最高技術責任者(CTO)の若田光一氏は、「宇宙では太陽の光が非常に強烈で、まるで目を突き刺すように感じる。だからこそ、私たちの眼を守り、過酷な月面環境での作業を可能にする最大限の視界を確保するために、優れたバイザーシステムが必要」とコメントしています。

同バイザーシステムは、光の屈折が地上と異なり、影がより深くなるという視覚的に過酷な宇宙環境に対応するために設計されているとのこと。放射線やレゴリスなどから宇宙飛行士の目を保護するとともに、視認性・クリアな視界を確保するものだということです。

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