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オーストラリアの宇宙スタートアップFleet Space、約147億円を調達 鉱物探査ソリューションを提供
2024年12月12日、オーストラリアの宇宙スタートアップFleet Space(オーストラリア・アデレード、CEO&Co-founder Flavia Tata Nardini)は、1億5,000万豪ドル(約147億円)の資金を調達しシリーズDをクローズしたと発表した。
Fleet Spaceは2013年設立で、共同創業者のナルディーニ氏は元欧州宇宙機関(ESA)エンジニア。
同社では衛星とAIを活用した鉱物探査ソリューションなどの提供と宇宙探査システムの開発を行っており、今回調達した資金は同社が展開している探査プラットフォーム「ExoSphere」の機能拡張に充てられるという。
NASAが月・火星探査計画を更新 火星で核分裂による電力を活用
アメリカ航空宇宙局(NASA)は12月12日、月から火星までの探査計画を更新する新たな文書を公表した(NASAによる発表)。
NASAによると、今回の新文書のハイライトは、火星での持続的なクルーの活動のために、主要な電力を核分裂によって得ると決定したこと。核分裂による発電は火星の昼夜や砂嵐の影響を受けないため、安定した電力の確保が可能となるとしている。有人火星探査に向けた7つの重要決定事項のうち、最初の決定となった。
また、月面での新たな設備として、物資輸送用の「月面貨物着陸機」と宇宙飛行士が滞在する「初期月面居住施設」の2つが計画に追加された。これにより、探査範囲の拡大や滞在期間の延長が可能となる。
NASAは今回の計画更新を有人火星ミッションに向けて不可欠なものだとしている。これらの決定は、火星探査を見据えた「アルテミス計画」の一環として位置づけられている。
ヴァージン・ギャラクティック、イタリアで宇宙港開設に向けた検討を開始
民間宇宙飛行を手がけるヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic、アメリカ・デラウェア州、CEO Michael Colglazier)は12日、イタリア民間航空局(ENAC)と協力協定を締結し、イタリア南部に新たな宇宙港を開設するための検討を開始すると発表した(ヴァージン・ギャラクティックによるリリース)。
対象となるのは、イタリア南部プーリア州のグロッタリエ空港。同空港は2018年に欧州連合(EU)で初めて水平型商業宇宙港(参考記事)として認定され、プーリア州とイタリア政府は施設整備に7,000万ユーロ(約110億円)を投じることを決定している。
検討は2段階で進められ、第1段階では2025年までに宇宙飛行に必要な技術要件や規制対応を確認。その後、週複数回の宇宙飛行が地域経済へ与える波及効果などについて検討されるという。
ヴァージン・ギャラクティックは2023年6月に初の商業宇宙飛行を実施。現在はアメリカ・ニューメキシコ州の商業宇宙港「スペースポート・アメリカ」を拠点にしているが、今回の動きは欧州での事業展開を視野に入れた一歩となりそうだ。
ispace、日本政策金融公庫から9億円を調達 シスルナ経済圏構築を推進
2024年12月13日、株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役 袴田武史、参考記事)は、日本政策金融公庫を借入先とした劣後特約付ローンによる9億円の資金調達の実施が取締役会で議決されたと発表した。
今回の調達は10年間の長期融資。日本政策金融公庫が宇宙関連の上場企業へ融資を行うのはispaceが初となる。
同社では、今回の劣後特約付ローンによる資金調達では業績に応じた利率が適用され、かつ10年間の借入であるため低コストで長期の流動性を確保でき、成長に向けた投資への分配が可能になるとしている。