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宇宙飛行士の作業効率アップ JAXAとエクサウィザーズがAIロボットシステム開発

Credit: 株式会社エクサウィザーズプレスリリース

宇宙飛行士の作業効率化を助けるAIロボットシステムを構築

AIを利活用したサービス開発等を行う株式会社エクサウィザーズ(東京都港区、代表取締役社長 春田真)は、2023年8月23日にJAXA(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構)と共同で実施している有人宇宙拠点内クルー作業の自動化・自律化に向けた技術検討の取り組みの中で多様な用途に合わせて学習できる汎用性の高い模倣学習プラットフォームを開発、これを活用して、対象物の位置を固定した環境下において100%の精度で実現可能なAIロボットシステムを構築したと発表した。

これは、同社が提供するロボットAIソリューション「exaBase ロボティクス」の技術アセットを活用したもの。

現在、国際宇宙ステーション(ISS)では宇宙飛行士による船外作業のリスク低減や、作業の効率化のため船外ロボットアームが用いられている。
船外・船内でロボットによる作業補助の幅をさらに広げていくには、人の手による取り扱いを前提とした柔軟な素材の操作が必要となるが、従来のロボット技術では物資輸送用バッグ(Cargo Transfer Bag、以下CTB)や、ケーブル類のように形状が変化する対象を通信遅延がある環境で操作することは困難で、また操作対象のサイズや質量が作業の精度に影響を与えやすいという課題もあった。

これに対し、同社では「exaBase ロボティクス」技術アセットを活用して、さまざまな用途に合わせて学習できる汎用性の高い模倣学習プラットフォームを開発。

同プラットフォームを活用して構築したAIロボットシステムにより、従来のロボットでは自律操作が困難だったCTBのファスナー開閉等を対象に、適用性の評価および実機におけるデモンストレーションを実施したところ、直線だけでなく曲線も含む柔軟物のファスナー開閉作業を、対象物の位置を固定した状況下において学習させ、その固定位置における操作を100%の精度で実現した。

特定のハード・ソフトに依存しないかたちでシステムを実装

今回開発されたAIロボットシステムは、拡張性と汎用性の高いオープンソースのロボットソフトウェアプラットフォーム「ROS(Robot Operating System)」、および開発環境の変更にも柔軟に対応可能なオープンプラットフォーム「Docker」をベースとしたシステムとなっている。

システムが特定のハードウェアやソフトウェアに依存していないため、将来的なシステムの更新や交換といった制約や、通信・互換性の複雑化による時間と開発コストの増加といった課題も回避できるという。

今後は、同作業の宇宙での適用に向けて、対象物の場所や形だけでなく、重力環境が変化する状況下においてもさらに高い精度で作業が実施できるよう、開発を進める予定。

エクサウィザーズでは、exaBase ロボティクスの技術アセットおよびノウハウを活用することで、有人宇宙活動における定型作業の自動・自律化の実現を通じた、持続可能な宇宙産業の発展への貢献を目指すとともに、この取り組みで蓄積したAI×ロボット技術の応用により、日本企業全体の生産性向上といった社会課題の解決に取り組んでいくとしている。

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