2023年10月12日、次世代カーボンナノチューブの研究開発・製造販売を行う株式会社カーボンフライ(東京都江東区、代表取締役 テン フィ)と、三菱ガス化学グループの日本ユピカ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 大塚裕之)は、宇宙ビジネスの拡大を見据え、小型衛星向けの軽量かつ耐久性の高いカーボンナノチューブ複合材料を共同開発することに合意したと発表した。
2022年設立のカーボンフライは、独自の製造ノウハウで優れた特性をもつ高性能カーボンナノチューブを製造する5t級量産機「Caltema(カルテマ)®」の完成を今年7月に発表している(プレスリリース)。
カーボンフライでは、Caltema®により、さまざまな産業分野に当社製CNTが供給可能となるとしており、カーボンナノチューブのもつ「軽量」「高強度」「高靱性」を最大限に生かし、宇宙材料として活用されることを目指すとしている。
提携先となる日本ユピカは1972年創業の樹脂系素材メーカーで特にカーボン素材についての知見を有している。従来の熱硬化性樹脂と比べ「速硬化」「高強度」「常温保管」を特徴とするCFRP用樹脂「CBZ(シービーゼット)」を製品化しており、長年培った素材開発技術で新たに宇宙素材分野への事業進出を目指している。
近年、世界中で人工衛星の打上数は飛躍的に伸びており、衛星製造や打上げの市場規模も拡大。
それに伴い、打ち上げ費用の抑制や搭載機能の充実のため、より軽量かつ高強度の素材への需要が高まっている。
2社はこのたびの開発協力の合意を受け、両社の製品と技術をかけ合わせ、これからの宇宙ビジネスに活用される素材開発を推し進める構え。