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アストロスケールのデブリ除去実証衛星・ADRAS-J打上げ、大型デブリに接近・調査へ

Credit: 株式会社アストロスケール プレスリリース(提供:Rocket Lab)

スペースデブリ除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担う株式会社アストロスケール(東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅)は、2024年2月19日、同社の商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」が、日本時間2月18日の深夜にニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Labの第1発射施設から打ち上げられ、軌道投入に成功したと発表した。

ADRAS-Jを搭載したRocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」は、日本時間23時52分に打ち上げられ、計画通り飛行。高度約600kmにて衛星を分離し、衛星から受信した信号により正常に通信ができることも確認された。

アストロスケールのミッション管制室の様子
Credit: 株式会社アストロスケール プレスリリース

ADRAS-Jは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズⅠの契約を受けて開発された実証衛星。

接近や捕獲・ドッキング等が行われるための能力や機器を有さない「非協力物体」であるデブリへの接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行う。

今回のミッションで対象となるデブリは、2009年に打上げられた日本のH2Aロケットの上段(全長 約11m、直径 約4m、重量 約3トン)。実際のデブリへ安全に接近し、デブリの状況を明確に調査する試みは、同社によると世界初となる。

現在、同ミッションは、ADRAS-J搭載機器のチェック等を行う初期運用フェーズに移行しており、これを完了した後、ランデブや近接接近、近傍運用等の技術実証に移る。
対象のデブリは位置情報を発信しておらず正確な位置情報を取得することができないため、ADRAS-Jは地上からの観測データや搭載センサを駆使して接近を行うこととなる。

衛星打ち上げ数が世界的に増加している今、軌道上を安全に保つサービスを実現させる実証が一歩前に進んだ。同ミッションの推移は、軌道上サービスに関する技術開発や事業開発にとって重要な動向になる。

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