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アクセルスペースの実証衛星PYXIS(ピクシス)打ち上げ成功 運用フェーズへ移行

AxelLinerでは「衛星プロジェクトのパッケージ化」と「衛星の量産化」に取り組む
Credit: アクセルスペース ホームページ

2024年3月5日、株式会社アクセルスペース(東京都中央区、代表取締役CEO 中村友哉)は、同社の10機目となる小型衛星PYXIS(ピクシス)の打ち上げ、および軌道投入に成功したと発表した。

PYXISは⽇本時間の2024年3⽉5⽇にアメリカ・カリフォルニア州バンデンバーグ宇宙軍基地から、SpaceXのロケットFalcon 9によって打ち上げられた。

PYXISが軌道上から発信した電波の地上での初受信にも成功し、今後は、衛星に搭載された各機器の動作を確認する初期運用フェーズを経て、周回軌道上で実際にミッションを行う定常運用フェーズへの移行を段階的に進めていく流れとなる。

PYXISは、アクセルスペースが展開する衛星プロジェクトのワンストップサービス「AxelLiner」の実証衛星初号機に位置づけられる衛星。

これまで、人工衛星はプロジェクトの内容にあわせて一品一品個別に生産されてきたが、AxelLinerでは「衛星プロジェクトのパッケージ化」と「衛星の量産化」によって衛星の開発期間短縮やコスト削減を実現し、衛星プロジェクトの事業としての見通しを改善することを目指している。

今回打上げられたPYXISは、人工衛星量産の鍵となる汎用バスシステムの実証を行うことに加え、同社が運用する地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」を構成する衛星GRUS(グルース)の次世代衛星に向けたセンサーの先行実証や、ソニーグループによる通信システム技術の実証も兼ねている。

なお、PYXISには運用が終了した衛星を速やかに軌道離脱させる「膜面展開型デオービット機構(D-SAIL)」も搭載されており、深刻な課題となりつつあるスペースデブリへの対応も行われている。

大気抵抗を利用して周回軌道からの離脱を促し、衛星のスペースデブリ化を防ぐ「膜面展開型デオービット機構(D-SAIL)」
Credit: アクセルスペース ホームページ

今後、同社ではPYXISによる実証で得られる知見を生かしてAxelLinerの技術開発を加速させるほか、AxelGlobeが運用する自社小型衛星コンステレーションの機数増強にも取り組む構え。

宇宙ビジネスにおける小型衛星のニーズが世界的に高まっている中、同社の実証の今後の推移に注目が集まる。

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