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監査法人のEY新日本、衛星データを活用した会計監査のDXを開始 Ridge-iと連携

鉱山の地形変化を自動検知
Credit: EY新日本有限責任監査法人 プレスリリース

2024年7月4日、EY新日本有限責任監査法人(東京都千代田区、理事長 片倉正美)は、建設業、電力業、金属業の2024年3月期の会計監査において、人工衛星が取得した衛星データの活用を開始したと発表した。

具体的には、光学衛星が取得した画像データの活用による資産の現場視察の補完手続き、異なる時点の光学衛星による画像データを活用した資産の状況変化の確認に活用しているという。

EY新日本は、監査における財務諸表の適正性を保証するためには、グローバルかつさまざまな場所に展開するクライアントの事業活動の状況をタイムリーに把握することが重要となっていると指摘。

株式会社Ridge-i(東京都千代田区、代表取締役社長 柳原尚史)による衛星データ関連の知見の提供や技術的なサポートのもと、取得フローや分析手法を確立し、世界中に点在するクライアントの資産等の現場視察の補完手続や状況変化の確認への活用を開始したとしている。

活用の詳細については下記の通り。

① 光学衛星画像データ活用による資産の現場視察の補完手続
通常、監査の際にはクライアントの資産の現物確認や状況把握のために監査人による現場視察が行われるが、海外や山地などの遠隔地や広範囲に存在している場合など、現地の往査や全体の状況把握が難しいケースがある。

そうした資産の実在性や稼働を効率的・効果的に確認するために、光学衛星画像データを監査業務へ活用しているという。

② 異なる時点の光学衛星画像データ活用による資産の状況変化の確認
異なる時点での同一地点の衛星データを比較することで自動的に変化を検知する技術を利用し、対象物の状況変化を把握するために活用。

近年、衛星データを用いて、農業や不動産業界で土地利用の状況確認を行ったり、災害前後の地表の状況変化を確認したりする動きが出ているが(関連記事)、今回の監査への応用もその流れの一つと言える。

衛星データの応用可能性の幅広さを示す事例が広がることで、業務の効率化や業務フローの抜本的な改善が起きるケースは今後も増えていきそうだ。

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