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JAXA、「宇宙戦略基金」の技術開発テーマ3件を選定 月-地球間通信など
2024年11月15日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「宇宙戦略基金」で公募を行っていた技術開発テーマのうち、「月-地球間通信システム開発・実証(FS)」(総務省計上分)、「宇宙輸送システムの統合航法装置の開発」(経済産業省計上分)、「低軌道自律飛行型モジュールシステム技術」(文部科学省計上分)について、実施機関を決定したと発表した。
それぞれの実施機関と技術開発課題名は下記の通り。
月-地球間通信システム開発・実証(FS)
実施機関(代表機関) | 技術開発課題名 |
KDDI株式会社(研究代表者:今井尚樹) | 月-地球間及び月面での大容量通信実現に向けた実現可能性検討 |
福井工業大学(研究代表者:村田泰宏) | 福井工業大学13.5m 地上局を利用した月-地球間通信システム設計の提案 |
宇宙輸送システムの統合航法装置の開発
実施機関(代表機関) | 技術開発課題名 |
三菱プレシジョン株式会社(研究代表者:浦山淳) | 小型・低コスト・高性能な統合航法装置および地上検証装置の開発 |
低軌道自律飛行型モジュールシステム技術
実施機関(代表機関) | 技術開発課題名 |
株式会社日本低軌道社中(研究代表者:山本雄大) | 自律飛行機能等を有する低軌道モジュールの基本システム設計 |
宇宙戦略基金は今夏から公募が開始され、10月25日に最初のテーマが採択されていた(参考記事)。
三菱電機、温室効果ガス排出量の可視化に関し三菱UFJ銀行ほか2社とパートナーシップ契約を締結
2024年11月15日、三菱電機株式会社(東京都千代田区、代表執行役 漆間啓)は、株式会社三菱UFJ銀行(東京都千代田区、取締役頭取執行役員 半沢淳一)、衛星データサービス企画株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 粂野和孝)、GHGSat Inc.(カナダ・モントリオール、President Stephane Germain)と衛星データを利用した温室効果ガス排出量の可視化に関するパートナーシップ契約を締結したと発表した。
4社はこのパートナーシップを通じて衛星が観測した世界中の温室効果ガス排出量のデータから、観測対象ごとの傾向をモニタリングし、分析した情報を企業および自治体などのユーザー向けに提供するサービスの実現を目指すとしている。
アメリカ連邦航空局が認可した商業宇宙活動の数が過去最大に 前年比30%以上の増加
2024年11月14日、アメリカ連邦航空局(FAA)は、2024会計年度の商業宇宙活動のライセンス取得件数が過去最高の148件となったと公表した(FAAによる発表)。
これは前年に比較して30%以上の増加であり、FAAではさらに、この数字は2028年度までに2倍以上に増える可能性があると予測している。
これを受け、FAAでは商業打ち上げや宇宙機の再突入ライセンス規則である「Part 450」を更新するために航空宇宙規則制定委員会(Aerospace Rulemaking Committee)を立ち上げたと発表した。
地球上の淡水量が急減、NASAとドイツの衛星観測データで明らかに
NASAゴダード宇宙飛行センターの水文学者であるマシュー・ロデル(Matthew Rodell)氏ほかの研究チームは、地球上の淡水の総量が2014年5月から急激に減少し、それ以来低下したままだという証拠を発見した。2024年11月15日、NASAが記事を公開した(NASAによる記事)。
学術誌・Surveys in Geophysicsへの報告では、この変化は地球の大陸が持続的に乾燥した段階に入ったことを示している可能性があることを示唆しているという。
研究チームは、ドイツ航空宇宙センター、ドイツ地球科学研究センターと、NASAが運営する重力回復・気候実験(GRACE)衛星の観測結果を用いてこの急激な世界的淡水減少を特定したという。
研究によると、淡水の減少はブラジル北部と中部の大規模な干ばつから始まり、その後オーストラリア周辺、南米、北米、ヨーロッパ、アフリカで大規模な干ばつが続いた。2014年後半から2016年にかけて熱帯太平洋の海水温が上昇し、1950年以降で最大規模のエルニーニョ現象に至ったことでジェット気流が変化し、世界中の天候と降雨パターンが変化。しかし、エルニーニョが収まった後も淡水量は回復しなかったという。
ロデル氏と研究チームは、GRACEが観測した世界で最も激しい干ばつ30件のうち13件が2015年1月以降に発生したと報告しており、地球温暖化が永続的な淡水枯渇の一因になっていることが疑われるとしている。