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ニュージーランドの宇宙スタートアップZenno、日本国内での展開に向け全日空商事と提携

2025年1月24日、全日空商事株式会社(東京都港区、代表取締役社長 宮川純一郎)は、超伝導技術を活用した宇宙ソリューションを開発するニュージーランド発の宇宙スタートアップ、Zenno Astronautics Ltd.(ニュージーランド・オークランド、co-founder and CEO Max Arshavsky、以下Zenno)と日本展開に向けた基本合意書を締結したと発表した。
全日空商事は衛星事業者に向け、国内初展開となるZenno開発の人工衛星用姿勢制御装置『超伝導磁気トルカ』の営業・マーケティング活動と販売を行う。
Zennoは昨年11月に、グローバル・ブレインとANAホールディングスが共同設立したAH-GB未来創造投資事業有限責任組合(ANA未来創造ファンド)などから出資を受けており(参考記事)、日本国内での展開を見据えている。
スターリンクの客船での採用続々、東海汽船の「さるびあ丸」「橘丸」で本格運用開始 2/1から

Credit: 東海汽船株式会社 プレスリリース
2025年1月24日、東海汽船株式会社(東京都港区、代表取締役社長 山﨑潤一)は、東京・竹芝桟橋~伊豆諸島航路をつなぐ大型客船「さるびあ丸」「橘丸」にて、2025年2月1日(土)から、衛星通信サービス「スターリンク(Starlink)」の本格的な運用を開始すると発表した。
スターリンクの利用は同社船舶では初。これまではトライアル利用を実施していたが、乗客からの強い要望を受け、今回の本格実施に至った。
フェリーや客船でのスターリンク通信の提供については、今月22日にもSHKライングループが横須賀〜新門司をつなぐフェリー「はまゆう」で、期間限定のサービス提供を行うと発表したばかり(参考記事)。海の交通での衛星インターネット通信普及が加速しそうだ。
NASA、長期間の月面探査実現に向けた研究のため、米国内の9社に資金を提供

Credit: NASA
2025年1月23日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、アルテミス計画における月面での長期探査に必要な機能、特に月面での物流や移動に関する提案を受ける「Next Space Technologies for Exploration Partnerships Appendix R」において、7つの州に拠点を置く9つの米国企業と研究契約を締結したと発表した(NASAによる発表)。
契約を締結した企業は下記の9社で、提供される資金の総額は2400万ドル(約37億円)に上る。これらの企業は、高度なロボット工学や自律機能を含む物流・移動のソリューションに関する戦略・コンセプトを提案しているという。
- Blue Origin社(フロリダ州)
- Intuitive Machines社(テキサス州)
- Leidos社(バージニア州)
- Lockheed Martin社(コロラド州)
- MDA Space社(テキサス州)
- Moonprint社(デラウェア州)
- Pratt Miller Defense社(ミシガン州)
- Sierra Space社(コロラド州)
- Special Aerospace Services社(アラバマ州)
月へ向かい航行中のispaceの月着陸船に搭載された深宇宙放射線プローブ、観測を開始

Credit: 株式会社ispace プレスリリース
2025年1月22日、株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役 袴田武史)は、今月15日に打ち上げられた同社の月着陸船「レジリエンス(RESILIENCE)」に搭載されたペイロードの一つである、「深宇宙放射線プローブ(Deep Space Radiation Probe:DSRP)」が正常に動作し、放射線環境の観測を開始したと発表した。
DSRPは、台湾中央大学が開発。台湾で初めて地球周回軌道以遠でミッションを行うペイロードで、航行中はヴァン・アレン(Van Allen)帯の内外、および深宇宙の放射線環境を観測し、月面着陸後は月面の放射線環境を継続的に測定してデータを収集する予定。
開発に携わった台湾国立中央大学 宇宙科学・工学部特別教授で学部長のLoren C. Chang博士は「これは、地球周回軌道を越えて深宇宙を航行する、台湾初のペイロードとなり、私たちにとって非常に大きな前進」とコメントした。