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7/29宇宙ニュース・「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」始動 ほか3件

「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」始動 企業等の宇宙開発を長年の知見で支援

握手を交わす角南篤 プログラムオフィサー(左)と、土居守 国立天文台長(右)
Credit: 国立天文台 ウェブサイト

2025年7月24日、国立天文台(東京都三鷹市、台長:土居守)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した令和6年度 宇宙戦略基金事業の「技術開発テーマ:SX研究開発拠点」に「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」が採択されたことを受け、6月19日に国立天文台三鷹キャンパスにてキックオフミーティングを開催したことを発表しました。

「国立天文台スペースイノベーションセンター構想」は、国立天文台がこれまでに培った技術力・人材を生かしてスタートアップ等による宇宙技術開発を支援する拠点を構築するもの。

国立天文台は、すばる望遠鏡やアルマ望遠鏡をはじめとする世界最先端の観測装置や、太陽観測衛星「ひので」などの人工衛星搭載機器を開発。同構想では、企業等が効率的に技術獲得できるような助言・指導や共同研究の実施、国立天文台が有する最先端の製造・測定装置等の開放といった支援を行うとしています。

キックオフ当日は、SX研究開発拠点全体の取りまとめを担当する角南篤プログラムオフィサー(公益財団法人笹川平和財団 理事長)と、JAXA宇宙戦略基金事業部の佐々木宏ゼネラルプロデューサーらが国立天文台を訪問。国立天文台からは、土居守国立天文台長と研究代表者の平林誠之先端技術センター長ほかの関係者が参加したということです。

ElevationSpaceがビジョンを刷新、2035年以降の有人輸送サービス実現目指す

有人宇宙輸送までの事業ロードマップ
Credit: 株式会社ElevationSpace プレスリリース

2025年7月29日、株式会社ElevationSpace(宮城県仙台市、代表取締役CEO:小林稜平)は、2030年代の有人宇宙輸送の実現に向け、ビジョンを「軌道上のヒト・モノをつなぐ交通網を構築する」に刷新したと発表しました。

同社は軌道上で実験・実証を行い地球に帰還させる再突入機の開発を進めていますが、軌道上拠点への物資・有人輸送や軌道間輸送へと事業領域を拡張することになります。

同社が発表したリリース内の事業ロードマップでは、現在取り組んでいる無人小型衛星による軌道上実証・改修サービス「ELS-R」「ELS-RS」事業を通じて再突入・回収技術の成熟を進めるとともに、有人宇宙機に必要なランデブー・ドッキング技術や安全性確保のための各種有人技術を獲得。さらに国内外の関係機関・企業との連携を通じ有人宇宙機に必要な要素技術を習得し、「国産有人宇宙機」の実現を目指すとのこと。

有人輸送サービスは2035年以降になるものとみられます。

代表取締役CEOの小林稜平氏は、「『誰もが宇宙で生活できる世界を創り、人の未来を豊かにする』というミッションは、創業当初から一貫して変わることはありません」としながらも、その実現に向けては、軌道上における交通網の構築、なかでも「地球へ帰還する技術」はその中核をなすものと指摘。他の企業や研究機関とも連携しつつ、「国産の有人宇宙輸送システムの実現」に向けて進んでいくとコメントしています。

OKI、宇宙機器向けに放熱を強化した「銅コイン埋込フレックスリジット基板」を発売

Credit: OKI プレスリリース

2025年7月28日、沖電気工業(OKI)グループのプリント配線板(PCB)事業会社であるOKIサーキットテクノロジー株式会社(山形県鶴岡市、代表取締役社長:鈴木正也、以下OTC)は、来月より、放熱性を強化した「銅コイン埋込フレックスリジット基板」を販売すると発表しました。

フレックスリジット基板は、絶縁性フィルムを材料に使った、薄く、軽く、柔らかく耐久性に優れた屈曲性のあるフレキシブル基板(FPC、参考記事)と強度の高いリジット基板(PCB)を組み合わせた構造で、狭小スペースでも折り曲げて搭載できるとのこと。

一方、宇宙のような真空環境では対流による放熱ができないため、OTCが開発した熱伝導率の高い銅コインを組み込むことで基板の裏側へ放熱させる、独自技術「銅コイン埋め込みPCB技術」をフレックスリジット基板に適用することで、真空環境下で高い放熱性を発揮できるとしています。

同社はこの基板をニュースペース市場向けに展開、2026年度2,000万円の売上を目指すとしています。

セネガル、アルテミス協定56番目の国として署名

Credit: NASA/Keegan Barber

2025年7月24日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、月・火星をはじめとした深宇宙探査に関する原則を定めた「アルテミス協定」に、セネガルが56カ国目として署名したと発表しました(NASAによる発表)。

署名の式典はワシントンD. C. にあるNASA本部で行われ、セネガル側からはセネガル宇宙研究庁長官のマラム・カイレ(Maram Kaire)氏と、駐米セネガル大使館大使のアブドゥル・ワハブ・ハイダラ(Abdoul Wahab Haidara)氏が参加し、カイレ長官が署名を行いました。

カイレ長官は署名に際し「アルテミス協定への署名は、セネガルの宇宙外交と平和的な宇宙探査への貢献といった目標に向けた重要な一歩となります」とコメントしています。

なお、セネガルは中国とロシアが推進する月探査・開発計画「国際科学月基地(ILRS)」にも参加しています。

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