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ispace、建設機械大手のコマツと月面環境を考慮した機器の設計に関わるコンサルティング契約を締結

月面環境に適応する建設機械(イメージ) 提供:コマツ
Credit: 株式会社ispace プレスリリース

2024年8月9日、月面資源開発に取り組む宇宙スタートアップの株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役 袴田武史)は、建設・鉱山機械メーカー大手の株式会社小松製作所(東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO 小川啓之、以下コマツ)と、宇宙機開発に関するコンサルティング契約を締結したと発表した。

コマツは、2021年から「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」の一環として、国土交通省および文部科学省が連携した宇宙無人建設革新技術開発推進事業に採択されており、将来構想として、月面建機の開発を目指している。

「スターダストプログラム」は、月面開発や衛星基盤技術の強化といった、各省の縦割りを排して連携して取り組むべき研究開発プロジェクトを推進する新規予算として創設されたプログラム。

今回両社が結んだ契約では、ispaceは宇宙試験機の設計や、月面環境で使用可能な部品および素材の選定等、知見を活かしたコンサルティングを提供するという。

ispaceは2023年4月に民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1のランダー(月着陸船)による月面着陸に挑戦。ランダーが月面に墜落し、着陸には至らなかったが、今年冬にミッション2を打ち上げる予定となっている(参考記事)。

月面は重力が地上の6分の1しかない環境であるとともに、大気がないため宇宙からの放射線がダイレクトに降り注ぐ過酷な環境でもある。さらに月面を覆う砂・レゴリスは非常に微細で地球の土壌と大きく異なる。こうした環境の違いを考慮した建機開発には、今回のように宇宙開発の知見が必須であるといえる。

ispaceだけでなく、複数の宇宙ベンチャー・宇宙スタートアップが非宇宙領域の企業と組むケースは増えており、今回のようにコンサルティングとして知見を提供するケースも今後増えていくだろう。宇宙の専門知見と他領域の技術・ノウハウなどを組み合わせることは宇宙ビジネスを生み出すうえで重要な観点になっている。

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