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BULL、デブリ化防止装置の搭載に関しアリアンスペースと検討を開始
2024年10月4日、宇宙デブリ対策事業や軌道利活用関連事業を展開する株式会社BULL(栃木県宇都宮市、代表取締役社長/CEO 宇藤恭士)は、欧州のロケット打ち上げ企業であるアリアンスペース社(フランス・パリ、CEO Stéphane Israël)との間で、アリアンスペースが運用するAriane 6ロケットに対し、BULLが開発する宇宙デブリ化防止(Post Mission Disposal:PMD)装置「HORN」を搭載することに関して、実現可能性の検討を開始したと発表した。
BULLが開発するデブリ化防止装置は、宇宙空間に打ち上げられ衛星を放出した後、残骸となるロケットの先端部分に搭載する。人工衛星放出後、この装置が起動して大気抵抗等で減速、速やかに軌道を離脱し大気圏で燃え尽きる。
地球周回軌道上のデブリは現在大きな問題となっており、今回の検討がデブリ問題解決の一助となるか、今後の両社の取り組みを注視したい。
New Space Intelligenceと三菱総研、衛星画像を用いた島しょの変化検知に成功
2024年10月7日、株式会社New Space Intelligence(NSI、山口県宇部市、CEO 長井裕美子)は、株式会社三菱総合研究所(三菱総研、東京都千代田区、代表取締役社長 籔田健二)と連携し、衛星データ等を活用したインテリジェンス・サービス開発の一環として、南シナ海の島しょ部における変化状況分析に関するPoC(概念実証)を実施し、検知に成功したと発表した。
三菱総研は2023年12月にはNSIに出資を行い、事業連携を開始している(参考記事)。今回のPoCでは、南シナ海の島しょ部における埋め立て・施設建造状況の分析を実施。衛星データのほか、各種公開情報や船舶の動静データなどと組み合わせて分析した結果、島しょの埋め立て・施設建造の変化の検知に成功した。
将来的には各種地理空間情報を活用し、海外情勢の把握、インフラの状況監視、被災状況の把握、海上物流・サプライチェーンのリスク分析等、多様な分野でサービス提供を目指すという。
商用衛星画像の市場、2030年までに世界全体で13.78%の年平均成長率に 米民間調査
2024年10月4日、アメリカの調査会社であるVerified Market Research®はレポートを発行した。
同レポートでは、世界の商用衛星画像市場規模は、2023年から2030年にかけて13.78%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予測されるとしており、市場規模は2021年に39億米ドル、予測期間の終わりまでに124億7,000万米ドルに達するとしている。
また、商用衛星画像市場の成長の要因として「防衛および安全保障における高解像度画像への需要の高まり」「データ処理におけるAIと機械学習の出現」「農業および環境モニタリングにおけるリモートセンシングの拡大」を挙げる一方、「衛星の打ち上げと維持にかかる高額な費用」「厳格な政府規制とライセンス」「データの正確性と統合の課題」が今後の課題になるとしている。
NASA、10/11に木星の衛星探査ミッション「エウロパ・クリッパー」を打ち上げ予定
NASAは、日本時間 2024年10月11日金曜日午前1時30分(現地時間 10月10日木曜日の午後12時31分)フロリダ州のNASAケネディ宇宙センターから、木星の衛星・エウロパの探査ミッション「エウロパ・クリッパー(Europa Clipper)」の打ち上げを予定している。
エウロパ・クリッパーが予定通り打ち上げられれば、2030年4月に木星の周回軌道に入る予定。エウロパは氷に覆われているが、太陽系で最も有望な居住可能環境の1つと考えられており、このミッションでは生命に適した環境があるかどうかを判断するため、詳細な調査が行われるという。
打ち上げのライブ中継は、NASA+とNASAウェブサイトで、日本時間 10月11日金曜日午前0時30分(現地時間 10月10日午前11時30分)から行われる予定。